金本知憲氏 選手と向き合える新井監督なら指導者経験なくても大丈夫 新生カープが楽しみ

[ 2023年2月18日 07:30 ]

昨年3月、カープレジェンドゲームに出場した新井氏(左)と金本氏
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 【金本知憲 鯉への金言】新井カープが楽しみだ。どんな野球をするのか、今からいろいろと想像が膨らむ。頑張るのは選手だから、新井監督に「頑張れ」と言うのはおかしいが、正直頑張ってもらいたいという思いはある。

 新井監督はちゃんと選手と向き合える監督にはなるだろう。選手との会話や対話などコミュニケーションを積極的に取ると想像する。私も同じだったが、コーチなど指導者としての経験がなく監督に就任。ただ、心配する必要はない。そこはコーチ経験のある方などに話を聞けばいい。長年、監督を務めていても新しい発見があるように、あまり監督歴は関係ないと思っている。重要なことはしっかりと意見をしてくれるコーチが周りにいるかどうかだ。

 先に監督を経験させてもらっただけに「アドバイスは?」と聞かれれば、それはたくさんある。その中でも私は監督時代、コーチの意見を積極的に聞くように心がけていたが、当然、コーチの意見が分かれることもある。例えば同じ担当にAコーチとBコーチという2人のコーチがいる場合、両者の考えや方針が異なる場合がある。そこにヘッドコーチの意見に加えて監督としての自分の考えや意見もある。意見が4つに分かれることもあるのだ。よって意見を聞きすぎても、一切聞かないのもダメ。バランスが大切なのだ。

 今のカープは選手が入れ替わる時期かなと見ている。リーグ3連覇(16~18年)を果たした当時、主力だった選手で現在も主力として残っている選手は少ない。当然、理想は「勝ちながら育てる」だろうが、過渡期という部分では大変だと思う。ただ、本当に球団(フロント)と一体となり一枚岩で戦えることは大きな強みだ。

 コミュニケーションを重視するであろう新井監督なら大丈夫だ。やはり監督は選手のモチベーションを上げることが最優先事項だと考えている。野手は菊池、投手は大瀬良。リーダー的な存在がいれば割とうまくいくと思う。チームを引っ張っていくのは監督ではなく、選手。真剣勝負のシーズンでは、果たしてベンチでどんな表情で采配を振るうのか、非常に興味がある(笑い)。(本紙評論家)

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2023年2月18日のニュース