レッドソックス・吉田　予告弾！本拠「グリーンモンスター」模したフェンス越え

左翼スタンドに特徴のあるキャンプ地で、バットを手にする吉田正尚（レッドソックス公式サイトから）

　来たるべきシーズンの「予告弾」だった。レッドソックス・吉田のフリー打撃最後の1球、24スイング目。フロリダの青空に舞い上がった打球が左翼フェンスを越えた。本拠フェンウェイ・パークと同じ規格で造られたキャンプ地のサブグラウンド。高さ11・28メートルの「グリーンモンスター」を模したフェンスを越えるアーチに、ファンの歓声が上がった。

　「順調に来ている」。その表情は明るい。左打者がグリーンモンスターを越えるには逆方向に高く、力強い飛球を打たなければならない。広角に長打を打てる吉田ならではの豪快な打球。「素晴らしい環境でたくさんの選手、スタッフとプレーできているのが凄くうれしい」。WBCに出場する野手の集合日。キャンプイン前の自主トレ段階ながら、メジャーでプレーできる喜びを日々感じている。

　12日には米プロスポーツ界最大のイベント・スーパーボウルを、アレックス・コーラ監督の部屋で一緒に観戦。食事もともにして「全ておいしかった。いい時間だったし、凄く溶け込みやすい雰囲気をつくってくださった」。環境への適応などが必要なメジャー1年目。チームとも交流しつつ、WBC開幕前に侍ジャパンに合流する。「今はWBCに気持ちを置いて、そこでベストを尽くす。優勝は国民全員の思い。必死にプレーしていい報告ができたら」。世界一へ、吉田はこちらでも大きな壁を越える。（杉浦大介通信員）