ソフトB・上林 完全復活へ地獄のロングティー 藤本監督見守る前で40本柵越えノルマに1時間

[ 2023年2月18日 06:00 ]

藤本監督の見守る中、ロングティーを行う上林(撮影・中村 達也)
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 昨年右アキレス腱断裂の大けがを負ったソフトバンク・上林誠知外野手(27)が17日、宮崎キャンプで主力中心のA組に本格的に合流し、精力的に汗を流した。全体練習後には約1時間のロングティーも敢行。オフの超大型補強で外野の定位置争いはさらに激しさを増したが、完全復活を期して黙々と振り込んだ。

 背番号51が居るべき場所に戻ってきた。上林はこの日からA組の練習にフル参戦。最後に待っていたのが地獄のロングティーだ。藤本監督が見守る中、40本の柵越えをノルマに1時間ほど振り続けた。「(A組だからといって)特別なことはなかったけど、最後のロングティーは疲れましたね」と充実の汗を拭った。

 この日が来るのを待っていた。昨年5月に右アキレス腱断裂のアクシデントに見舞われてシーズンの大半を棒に振った。今春キャンプでは14日終了の第3クールまで若手中心のB組で鍛え、前日16日の紅白戦からA組に合流した。藤本監督からは「(ボールとバットが)滑ってる」とフリー打撃後に指摘を受けて、ロングティーで調整した。「結構、重くて長い」という長尺バットを使い、下半身を使ったスイングを意識した。「どうでもいい選手には言ってくれないと思うので、そこは期待に応えたい」と語った。

 復活へ向けて順調にステップを踏んでいるが、待ち受ける外野のレギュラー争いは激しい。近藤がFAで加入し、大黒柱の柳田もいる。どちらかがDHで入る可能性もあるが、左翼・近藤、右翼・柳田の布陣も有力だ。定位置獲得へ最も現実的な中堅は、昨季120試合出場した牧原大が筆頭候補で、新外国人のホーキンス、正木、柳町、増田らの若手も虎視眈々(たんたん)と狙っている。ライバルは多数いるが、「今年で10年目。野球人生を大きく左右する一年になる。ケガを乗り越えて、どこまでできるか自分に期待しながら頑張りたい」ともちろん譲る気はない。

 藤本監督は「状態的には普通。良くもなく悪くもなく。マイペースの男ですから」とさらなる奮起を促すように話した。上林は「藤本監督を胴上げしたいと言ってできなかったので、今年こそ自分の力、みんなの力で優勝を目指したい。飛ぶ準備はできている。あとは解き放つだけ」と力を込めた。復活を信じて、ただ前へと突き進む。(森 寛一)

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2023年2月18日のニュース