阪神・岩崎 信念の実戦登板封印 キャンプ2年連続、ブルペン投球続け“宝刀”直球の精度高める

[ 2023年2月18日 06:30 ]

今春キャンプでの実戦登板を封印する可能性が高くなった岩崎(撮影・後藤 大輝)
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 阪神の岩崎優投手(31)が、今キャンプの実戦登板を封印する可能性が高くなった。昨春に続いて2年連続の調整法も、故障などアクシデントではなく昨年、被打率の悪かった直球の精度向上に注力することが狙い。独特の軌道で打者をねじ伏せるかつての“剛球”を取り戻し、開幕に備える。

 唯一無二の歩みで開幕を見据えている。岩崎のキャンプでの取り組みは一目瞭然だ。第2クール3日目に投手陣の“トリ”でブルペン投球を行ってから、ここまで投じた計416球は全て直球。その意図は明確だった。

 「もう一度、直球に取り組むということです。キャンプだけでなくて、シーズン全体の話でもある。直球を中心にというか、そういうつもりでいます」

 昨年、4月から守護神を任されるなど57試合で1勝(6敗)、28セーブ、防御率1・96とブルペンの中心としてフル回転も、投球の大半を占める直球に“異変”があったという。

 「数字の被打率もそうですし、何より自分の感覚として良くなかったので。このままではダメだなと」 

 下半身の粘りを生かしたフォームから繰り出される独特の軌道を描く直球が背番号13の一番の武器で、ここまでの躍進を支えてきた。ただ、年齢も30を過ぎて体にも変化が出てくる時期。打開策として変化球の球種を増やす選択肢などではなく、原点を見つめ直して直球をもう一度、突き詰めることにした。変化球は18日からの第5クール中に解禁する予定も、過去9年でこの時期まで封印したことはないという。

 キャンプ中は直球に重きを置くため、実戦登板はしない方向。昨春に続いて2年連続の異例の調整法ではあるが、信念を貫く。

 「自分のやりたいテーマに関してはしっかりと取り組めているので問題ない。シーズン中に数多く勝利に貢献することだけを考えて今からやっている」

 続々と実戦マウンドに上がる他の投手とは違い、左腕は黙々とブルペンで腕を振る。“宝刀”の輝きを取り戻す2月。わが道を行き、チームをけん引する。(遠藤 礼)

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2023年2月18日のニュース