【虎番リポート】岡田監督が最も警戒するDeNA偵察 「左腕王国」打倒の鍵は機動力によるデータ破壊

[ 2023年2月18日 07:30 ]

球団ワースト記録となる横浜スタジアムでのシーズン11敗を報じる22年9月11日付本紙
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 阪神キャンプ休日の17日、どうしても行きたい場所があった。向かった先は、DeNAのキャンプ地「アトムホームスタジアム宜野湾」。昨季、9勝16敗と大きく負け越し、岡田監督が「最も警戒する球団」に潜入取材を敢行してきた。

 こっそり忍び込むつもりだったが、あいさつの時点でもくろみは外れた。名刺を渡すと、渡辺雅弘広報から「みんなにもうバレてますよ」と先制パンチ。確かに、ストラップがタテジマでは、それも致し方ない…。ただ、ここで引き返していては偵察にならない。まずは、目立たぬようにブルペンへと向かった。

 DeNAは昨季の阪神戦全25試合で、17試合の先発を託すほどの「左腕王国」。その中で特に目に留まったのが石田だ。昨季は4試合で3勝を献上し、一度も勝てずじまい。この日も、内外角に丁寧に直球を投げ分ける姿が印象的だった。捕手役を務めていたのが、記者にとって駒大野球部の1学年上となる戸柱先輩。練習終了後に話を聞くと「石田はいいよ!球に力がある」と絶賛していただけに、阪神との開幕カードに先発する可能性は十分ある。

 午後から始まった実戦形式のライブBPもチェックすると、さらに警戒感は強まった。守護神・山崎をはじめ中継ぎのエスコバー、伊勢など調整は順調そのもの。ただ、相手チームを感心しているばかりでは、宜野湾へ足を運んだ意味もない。ここは思い切って、三浦監督の囲み取材で阪神の印象を聞いてみることにした。

 「監督が代わって、作戦面も変わる。これからスコアラーやアナリストにいろいろなデータを見てもらう」

 近年、DeNAはデータに基づいた大胆な守備シフトや配球を駆使してきたという。言われてみれば、昨季、阪神の各打者が同じパターンで打ち取られるケースを何度も見た。だが、雪辱を期す今季は、岡田監督が1、2番に近本、中野を起用することを明言。戸柱先輩にこっそり伝えてみると「その並びはやっかい」と眉をひそめた。俊足コンビが出塁して、相手バッテリーをかき回すスタイルは有効となるだろう。機動力による「データ破壊」が、反攻の糸口になると予感した。(石崎 祥平)

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