【牛島和彦氏 視点】朗希“来季15勝”への課題は下半身 いい時のタメなくフォームがすぐほどける

[ 2022年9月14日 22:18 ]

パ・リーグ   ロッテ8-1日本ハム ( 2022年9月14日    ZOZOマリン )

<ロ・日>ロッテ先発の佐々木朗(撮影・長久保 豊)
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 今季9勝目を挙げたロッテ・佐々木朗希の立ち上がりは不安いっぱいだった。フォームに迫力と粘りがなく、直球を簡単に打ち返されてしまう。いつもなら足を高く上げ、1度股関節に体重を乗せてから“タメ”を作って粘りながら体重移動していく。だが先頭・木村の打席から体重移動に粘りがなく、すぐにフォームがほどけてしまう。体重が乗っていないから直球も変化球も打者を押し込めず木村には1発を食らい清宮、松本にも弾き返された。

 どれだけ失点してしまうのか思ったが1死一、二塁で上川畑に対したところから本来のフォームを取り戻し、連続三振で切り抜けた。2回以降はいつもの佐々木朗に戻り、フォークが落ち、直球のキレも出た。

 立ち上がり下半身の疲れから体全体を使って投げることに不安があったのかも知れない。そこから自分の体調を把握し、フォームを修正。5回を1失点にまとめてしまうのはさすが。内容が詰まった58球、9勝目だった。

 今後、佐々木朗が10勝に到達できるかどうか分からないが、今季は貴重な経験ができた1年だったと思う。育成プログラムに沿って大事に使われながらも登板間隔が想定以上に空いたり、指のマメを潰したり…。来年「15勝するため」「中6日で投げるため」には何が必要か。多くの課題が手元に残ったはずである。少し気が早いが、来年の佐々木朗を楽しみにしている。 

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