恩師の近大・榎本前監督 糸井は学生時代から宇宙人「寮の天井に星空のカーテン。交信でもしとるんかと」

[ 2022年9月14日 05:15 ]

阪神・糸井嘉男 引退会見 ( 2022年9月13日 )

近大時代の糸井

 嘉男にかける言葉はお疲れさんしかないです。実は7日に自宅まで来てくれて、直接報告を受けました。「強い真っすぐがはね返せなくなって、今までホームランにできたのができなくなった」と。引退する旨を聞いた時は、本当に寂しい気持ちになりました。近大のジャンパーに初めてサインもしてもらって…教え子でしたが、最後は私がファンになっていました。

 プロに入ってからは「超人」と言われていますけど、僕にとったら、学生時代から「宇宙人」です。大学4年の時には朝、後輩が起こしに行っても起きてこず、私が起こしに行くことが何回かありました。後輩になりすまし「糸井さん、起きてください。監督もグラウンドに出ています」と声をかけたら「あと5分寝るわ」と返ってきて「あほ、俺じゃ」と怒ったこともありました。でも、陰では練習をよくやる子で、憎めないヤツでした。

 ところで、なぜ「宇宙人」と言っていたのか。嘉男は当時、寮の2人部屋で二段ベッドの上で寝ていたのですが、天井にプラネタリウムのような星空をイメージしたカーテンを張り、蛍光灯も輝くように加工していたんです。それを見て「これで寝られるのか。宇宙と交信でもしとるんか」と冗談で会話していたのが始まりで、そこから「宇宙人みたいやな」となったんです。

 そんな嘉男から、人間らしい一面を感じたことも当然、ありますよ(笑い)。後輩を食事に誘っては、よくおごっていましたし、おつかいを頼んだらお釣りをあげていたり。優しいところがありました。嘉男が引退…。ここまで本当に楽しませてもらいました。ありがとう!(近畿大学硬式野球部前監督)

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2022年9月14日のニュース