阪神・佐藤輝 “超人”糸井イズム継承誓った「野球への情熱が素晴らしい方」 エールに応えた会心二塁打

[ 2022年9月14日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神3―6広島 ( 2022年9月13日    甲子園 )

引退会見で、サプライズ登場の佐藤輝らに抱きついて喜ぶ糸井(撮影・大森 寛明)
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 阪神・佐藤輝明内野手(23)が、公私ともに“兄貴分”として慕う「超人」の思い、イズムを継承することを誓った。この日は糸原、坂本とともに糸井の引退会見にサプライズ登場し、近大の先輩を見送った。チームはクライマックス・シリーズ進出を争う4位・広島に3―6で痛恨の敗戦。広島、5位・巨人にともに1ゲーム差に迫られた。14日も敗れれば、優勝の可能性が消滅する。

 花束を持って引退会見場に入った瞬間、“兄貴”は両手を大きく広げ、満面の笑みで迎え入れてくれた。佐藤輝は熱いハグを交わし、感謝の言葉を贈った。そして、その大きな背中を追うべく、決意を新たにした。

 「本当に40代とは思えないくらい自分を追い込んでいたし、野球に対する情熱が素晴らしい方。自分も何歳になっても、そういう選手でいたい」

 同じ近大出身、ほぼ同じ体格、同じ左打ち…。自らの教科書とも言える「超人」と過ごした時間は、何ものにも代えがたい宝物だ。

 「年は離れているけど、兄貴のような存在でした。何とも言えないというか…もう本当に寂しい気持ち。けど、たくさん考えられて出した結論ですし、お疲れさまでしたという気持ちが一番ですね」

 プロ入り当初から先輩として、兄貴分として、そして師匠として自らを気にかけ、導いてくれた。「僕が入団して実質、ポジションを奪うような形になったと思うのですが、そんなことも関係なく優しく接してくれて本当にありがたかった」。ソフトバンク・柳田やオリックス・吉田正らとの“超人軍団”への扉を開いてくれたのも糸井だった。

 会見では、その糸井から「球界を代表するような選手に絶対なってほしい。そういうポテンシャルは絶対持っていると思う」とエールも送られた。応えることが、後輩としての使命。花束贈呈の後、早出特打に取り組む背番号8の姿があった。

 決意新たに臨んだ広島戦。8回1死一塁でリーグトップ34本目の二塁打を放つも、1点を追う5回2死一、二塁では右飛に倒れるなど他の3打席は凡退に終わった。チームはCS圏内を争うライバルに痛恨の敗戦を喫し、5位・巨人ともども1ゲーム差に迫られた。

 「超人」の悲願でもあった阪神での日本一をかなえるには、まず次に進むことが最低条件。背番号8も、残り9試合に全てを懸ける。(阪井 日向)

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2022年9月14日のニュース