阪神・佐藤輝“夏バテ”深刻 練習では座席破壊弾も試合では3打数無安打 貧打地獄で2戦連続零敗

[ 2022年8月14日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神0-2中日 ( 2022年8月13日    京セラD )

<神・中>4回無死二、三塁、佐藤輝は空振り三振に倒れる(投手・小笠原)(撮影・北條 貴史)
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 阪神最大のチャンスは0―0の4回だった。糸原の四球とロハス・ジュニアの二塁打で無死二、三塁。最初に迎えた頼みの佐藤輝が空振り三振に倒れた。さらに今季左投手に24打数10安打(打率・417)を誇った陽川、2回に中前打を放っていた山本がともに3球三振。まさかの3者連続三振で絶好機を逃し、観衆3万4104人を集めた京セラドームにため息が広がった。

 「みんな何とかしようという気持ちは、もちろんあるけど、プロである以上、それを結果で示すことも必要だと思う。そうしていけるように頑張ります」

 4月以来の5連敗で借金2。ヤクルトが9ゲーム差に遠のき、巨人に同率3位で並ばれた矢野監督は貧打を嘆いた。中日の3投手の前に6安打に散り、2試合連続21度目の零敗。63年に記録した球団ワースト24度が目前に迫ってきた。9日DeNA戦の3回から43イニング連続適時打なし。安打数リーグ1、2位だった近本と中野、本塁打と打点で同2位にいた大山をコロナ陽性で欠く影響は、計り知れないほど深刻だ。

 相手のマークを一手に引き受ける佐藤輝は8回2死一、二塁でも左飛に倒れた。試合前の打撃練習では、右翼席へ放り込み、その打球が座席にめり込んだ。緊急で新品に取り換えた球場の担当者が「壊れることがあっても、ボールがめり込むのは珍しい」と、イス破壊弾の威力に舌を巻いた一撃だった。

 復調を予感させたが、3打数無安打で8月は0本塁打の36打数4安打(打率・111)。今季初めて打率2割5分台(・259)まで低下した。新人だった昨年も8月は月間打率・222の低迷。2年連続で“夏バテ”に苦しんでいる。

 矢野監督は就任4年目で最短の1分で会見を終えた。質問を受けながら、珍しく答えず姿を消した。全て左腕から喫した5連敗は、それほどの悔しさがあった。借金16まで膨らんだ春先と同じように、ズルズル負けることだけは、絶対に避けなければならない。(倉世古 洋平)

 《21度の零敗は3番目の多さ》阪神は今季4度目の2試合連続零敗。シーズン21度の零敗は13年の21度以来9年ぶり。チーム最多は63年の24度。次いで12年の23度。今回は62年、13年に並ぶ3番目の多さ。現在シーズン27度ペースで、プロ野球記録は56年大洋(現DeNA)と東映(現日本ハム)の31度。

 《長期ロード5年ぶり京セラD負け越し》長期ロード中の京セラドームのカードで負け越しは、17年の広島戦(●●○)以来5年ぶり。以降20年広島戦の1勝1敗1分けを挟んで6カードで勝ち越していた。

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