浜田 コロナ禍乗り越え18年ぶり聖地1勝 尾崎球審「この試合ができたのは奇跡」ドタバタ11日宿舎入り

[ 2022年8月14日 06:00 ]

第104回全国高校野球選手権第8日・2回戦   浜田5―3有田工 ( 2022年8月13日    甲子園 )

<浜田・有田工>整列した両軍ナインに声をかける尾崎球審(撮影・井垣 忠夫)
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 2回戦4試合が行われ、浜田は有田工に競り勝ち、04年以来18年ぶりの夏1勝を挙げた。

 18年ぶりの校歌を、浜田が甲子園に響かせた。試合後、整列した両校を前に尾崎泰輔球審は「この試合ができたのは奇跡です」と語った上で試合終了を告げた。浜田の喜びの表現も控えめだった。

 前回出場の04年には主将だった家田康大監督は「選手の大半がコロナにかかってしまった。試合ができて感謝の気持ちでいっぱいです。選手も地に足を着けて戦ってくれた」と振り返った。2日に新型コロナ集団感染と判断されて抽選会も欠席し、練習再開は9日から。11日に宿舎入りして全員の陰性を確認。メンバーは一人も欠けることなく甲子園に臨んだ。

 自宅療養の中で選手は個別練習を続けた。体幹、柔軟トレを部屋で行い、人と接触しない夜にランニングを行った。一方で有田工の選抜での試合動画を全員が共有。岡海善主将も「気を落とさずに準備しよう」と連絡を取り合い、相手の打球方向などの情報を交換。同点で迎えた6回無死一塁ではエンドランから高木和輝の決勝打につなげると、9回1死一塁では遊ゴロ併殺を決め、勝利を呼び込んだ。練習不足を全員の工夫でカバーした。

 5回2失点と試合をつくり、3回に中前適時打の波田瑛介も「自分も発熱はなかったけど陽性でした。思うように球は行かなかったけど、先輩に声をかけてもらって乗り切れた」と笑顔になった。98年ベスト8の立役者・和田毅(ソフトバンク)が憧れ。同じ左腕として「これからも目標にして追い越したい」と夢を膨らませた。

 どんなことがあっても諦めないことが大切だと甲子園が教えてくれた。感謝でつかんだ春夏通算10勝目だ。(鈴木 光)

 ▼ソフトバンク・和田毅(母校・浜田が初戦突破)最後まで(テレビで)見られました。ありがとうございます。みんな気持ちが前面に出ていて、僕も高校時代を思い出しました。彼らの姿に本当に力をもらいました。プロテイン、水、エナジードリンクだったり、決勝まで行けるだけのけっこうな量は贈らせてもらいました。

 ▼梨田昌孝氏(浜田OB、元近鉄、楽天、日本ハム監督)良い3点を取れて大きかった。2番手の森井くんも良い形で抑えてくれた。私のときは春夏甲子園に出たが、1回戦で終わった。校歌を聞けなかった。甲子園で1勝できて、すごく感動した。高野連にも配慮していただき感謝しています。

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