サイド転向に続き…一二三に“最終兵器”

[ 2010年8月5日 06:00 ]

甲子園のブルペンで調整する東海大相模・一二三

 7日に開幕する第92回全国高校野球選手権大会の組み合わせ抽選会が4日、兵庫県西宮市の兵庫県立芸術文化センターで行われ、3回戦までの対戦が決まった。33年ぶりの夏の甲子園出場となった東海大相模(神奈川)は、大会第5日第3試合で水城(茨城)と対戦。今秋ドラフト候補の150キロ右腕・一二三(ひふみ)慎太投手(3年)は習得したばかりのシュートで、相手打者の内角に切り込むことを宣言。準々決勝の組み合わせ抽選は大会第11日、準決勝の抽選は第12日のそれぞれ第1試合終了後に実施される。

【組み合わせ


 春の雪辱を誓って甲子園に乗り込む一二三が「最終兵器」を手にした。
 「もともと直球がシュート回転していたので、ツーシームの握りでシュートを掛けてみました。そしたら曲がって落ちた。これだと思った」
 きっかけは7月30日、横浜との神奈川大会決勝。シュート回転する直球で、内野ゴロの山を築いた。試合後、捕手の大城卓と話し合い、新球として本格的にシュートの習得を目指すことを決断。持ち前の野球センスで数日間で完成させ、3日の大阪入り後も投げ込んでいる。スライダー、カーブに新たに加わった変化球に、一二三自身も大きな手応えを感じている。
 今春のセンバツでは大会屈指の本格派右腕として注目されたが、初戦の自由ケ丘(福岡)戦で8回4失点で敗戦。「制球が安定しなかった。違う気持ちで新しいことをしようと思った」と5月から横手投げに転向した。それでいながら、自身の最速は149キロから大台の150キロへ更新した。
 組み合わせ抽選会後。激励に訪れた興南の島袋から、「サイドにして150キロ出たんだって?」と声を掛けられた。チームが5月下旬に沖縄遠征を行った際に、親交を深めた2人。当時はまだサイドスロー転向間もなく手探り状態だったが、今は自信がある。
 「フォームは変えたが、自分がエースであることは変わらない。しっかり投げて、まず1勝したい。やってやろうという気はありますが、春のように入れ込み過ぎてはいません」。一二三がカミソリシュートを新たな武器に、33年ぶりの夏の甲子園出場となる東海大相模の快進撃をけん引。その先には、沖縄遠征中の練習試合では実現しなかった島袋との投げ合いも待つ。

 ≪水城“橋本マジック”に期待≫水城(茨城)は初出場でいきなり東海大相模が相手。水戸商で春夏通算7度の甲子園を経験し、08年4月に同校に就任した橋本監督は「一二三君をはじめ、いい選手が多い。33年ぶり出場で盛り上がっているし」と警戒を強めた。茨城大会はノーシードから、下妻二や土浦日大など強豪を次々と撃破。再びの橋本マジックに期待がかかる。

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2010年8月5日のニュース