松井の出場機会減少?指揮官が大きな“決断”

[ 2010年8月5日 06:00 ]

オリオールズ戦の7回、二ゴロに倒れたエンゼルス・松井秀

 エンゼルスのマイク・ソーシア監督が3日(日本時間4日)、3Aから昇格した新人、ピーター・ボアジャス外野手(23)を今後中堅手として常時起用すると明言。この日のオリオールズ戦も9番で起用した。この抜てきで名手・ハンターが右翼、アブレイユが左翼に転向。DHの松井秀喜外野手(36)は、控えに回る左翼のリベラと併用されることで出場機会減少は避けられない状況となった。エ軍は3―6で敗れ、松井も4打数無安打に終わった。

【試合結果


 試合前の会見。ソーシア監督は感情を押し殺すように話した。
 「ボアジャスが今後中堅を守る。外野の守備範囲を広げる必要があり、彼はそれができる。ハンターを右翼と行ったり来たりさせることはない」
 9年連続ゴールドグラブ賞のハンターが、先発出場で中堅以外を守るのはツインズ時代の99年10月以来11シーズンぶり。エンゼルスが重大な転換期を迎えたことを示していた。そして、これは松井の立場にも大きく影響してくる。
 ボアジャスは今季、傘下3Aソルトレークで打率・314、13本塁打、52打点。さらに12三塁打、27盗塁をマークしているスピードが武器だ。今季35歳で、肩や守備範囲に衰えが見えるハンターの後継として大きな期待が掛けられている。ハンターが右翼、アブレイユが左翼に回ることで、左翼が本職のリベラが押し出される。指揮官が「誰かを休ませる時に彼の打力が必要だし、DHで使うこともある」と話す右打ちのリベラは後半戦出場15試合で打率・340、2本塁打、6打点と好調を維持。現状でも左腕の先発時に欠場が増えている松井は、同期間14試合で4本塁打、8打点も、打率は・231。今後DHでリベラとの併用が増えれば、松井の出番が激減する可能性は高い。
 1年契約の松井にとって契約延長のためには残りシーズンでのアピールが不可欠だが、この日も4打数無安打で打率は・249に下がった。「きょうもちょっと打てなかった。打ち損じもあるし難しい球に手を出したのもある」と、8月最初の試合を振り返った。春季キャンプにも参加していたボアジャスを、クラブハウスで見かけた松井は「彼は(他球団の)どこから来たの?」と報道陣に尋ねる泰然ぶり。周囲が騒がしくなってもどこ吹く風のずぶとさで、少ないチャンスをものにするしかない。

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2010年8月5日のニュース