【玉ノ井親方 視点】“自分の形”崩さぬ尊富士

[ 2024年3月19日 04:33 ]

大相撲春場所9日目 ( 2024年3月18日    エディオンアリーナ大阪 )

阿炎を押し出しで破る尊富士(撮影・井垣 忠夫)
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 これが新入幕の相撲なのか。相手は三役で幕内優勝経験者。だが、尊富士は電車道で勝負を決めた。阿炎のもろ手を下からあてがいながらかわし、左をおっつけると一気に前に出た。

 今場所は何が何でも自分の形で相撲を取ろうという決意が取り口に表れている。前に出る圧力がある上に寄る時の腰の形も良い。普通はまわしを引きつけながら寄ると上体が浮きそうになるが、逆にどんどん腰が下りる。そのため簡単に逆転技を食わない。今は強さだけが際立っていて弱点が見えない。ただ今後、出足を止められたり、まわしを取られた時にどう対応できるか。そうなった時に弱点も見えてくるだろう。

 10日目は大の里との注目の一番。大の里も若元春を一方的な相撲で破っており、先場所は優勝争いにも絡んだ。力は五分。尊富士が大の里の懐に入るような展開になれば面白い。(元大関・栃東)

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