林享氏 池江璃花子はまだまだ伸びる 後半の持久力強化で自己ベスト更新を

[ 2024年3月19日 05:30 ]

競泳パリ五輪代表選考会 ( 2024年3月18日    東京アクアティクスセンター )

女子100メートルバタフライ決勝、レースを終え笑顔の平井瑞希(左)と池江璃花子(撮影・小海途 良幹)
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 【林享の目】池江は今大会で確実にステップアップした。決勝では終盤にバテて、前日の準決勝からタイムを落としたが、派遣標準記録を突破し、以前の力がかなり戻ったことを示した。

 これまでとの大きな違いは前半50メートルだ。復帰後は27秒台で入ることが多かったが、準決勝は26秒30。決勝ではもう少し抑えて入ってタイムをまとめる策もあったと思うが、再び26秒35の速いタイムで入った。遅れ気味だったスタートやドルフィンキックが強化されており、泳ぎのスピードも間違いなくついている。
 オーストラリアでのトレーニングで体重が増えて、特に上半身は大きくなった印象だ。もともと手足が長くて大きな泳ぎが特長だが、上半身の筋力がついたことで速いテンポで泳げるようになった。これが前半のスピードにつながっている。
 今大会と同じ前半の入りで、終盤バテない筋持久力をつけられれば、五輪までにまだまだタイムは伸びる。平井というライバルが現れたことも刺激にもなる。自己ベストの56秒08も視界に入ってくると思う。
 自由形での派遣標準記録突破のハードルはかなり厳しいが、1つ切符を手にしたことで、残り2種目は落ち着いて挑めるだろう。(92年バルセロナ五輪100メートル平泳ぎ4位、東海学園大監督)

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