照強が引退会見、思い出の一番「20年7月場所の朝乃山戦」阪神大震災当日淡路島に誕生 豪快塩まき人気

[ 2024年3月19日 13:54 ]

<大相撲10日目>引退会見を行った照強(左は伊勢ヶ浜親方)
Photo By スポニチ

 現役引退を表明した西幕下36枚目の元幕内・照強(29=伊勢ケ浜部屋)が19日、大阪市内で師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)と引退会見に臨んだ。阪神大震災当日の1995年1月17日、震源に近い兵庫県南あわじ市出身。1メートル69の小兵ながら、豪快な塩まきでも人気を集めた。

 「14年間の相撲人生、親方やおかみさん、協会の方、感謝しかありません」。会見中、涙はなく淡々と相撲人生を振り返った。
 10年春場所初土俵。幕内通算22場所で20年秋場所、西前頭3枚目が最高位だった。西前頭16枚目の19年名古屋場所では12勝して敢闘賞を受賞した。猛稽古で知られる伊勢ケ浜部屋でも稽古量は多く、1日100番以上取った。自己最高位まで番付を上げた直後から、糖尿病に苦しんだ。

 一昨年九州場所では幕内31年ぶりの1場所15戦全敗を経験。ご当所の今場所、幕下で土俵へ上がる選択肢もあり得たはずだが「稽古ができてない。相手に失礼ですから」。3勝3敗の7番相撲を休場した先場所中から師匠と相談を重ねてきたと明かした。今場所は1番相撲から休場していた。

 思い出の一番には20年7月場所の大関・朝乃山戦を挙げた。兄弟子の横綱・照ノ富士が大関から序二段へ陥落後、再入幕。13勝で30場所ぶり2度目の優勝を果たしたその14日目、優勝を争った朝乃山を照強が足取りで倒して歴史的快挙をアシストした。

 「勝ちたいのと(照ノ富士を)勝たせたいのと。2倍頑張れた。場面、得意技。全てをひっくるめて頂点だった」

 阪神大震災発生の1月17日がくる度に注目された。「阪神大震災だけでなく、(自然災害で)被災された方を少しでも勇気づけられたらと思った。しっかりやりきれたんじゃないか」。師匠から「周囲を強く明るく照らすように」との願いを込めてつけられたしこ名。14年間の使命を果たした手応えも言葉ににじんだ。

 引退後の進路は未定。「中学を卒業してから入門して、相撲の世界しか見てない。いろんな世界を見たい」。断髪式は6月23日、東京・両国国技館で行う。

 ◇照強 翔輝(てるつよし・しょうき)本名=福岡翔輝。1995年(平7)1月17日生まれ、兵庫県南あわじ市出身の29歳。阪神大震災の発生当日に兵庫県洲本市で誕生。小4から相撲を始め、南あわじ市立三原中3年時に全国都道府県中学生大会ベスト16。15歳で伊勢ケ浜部屋に入門し、10年春場所で初土俵。12年春場所、17歳1カ月で幕下に昇進。16年九州場所で幕下優勝。17年初場所で新十両昇進。19年春場所で新入幕。同年名古屋場所で12勝を挙げて敢闘賞受賞。約4年間幕内の土俵を務めたが、糖尿病などの影響で力が出なくなり22年九州場所では15戦全敗。23年初場所に十両転落。翌春場所で幕下に転落した。今場所の番付は西幕下36枚目だった。幕内在位22場所。幕内成績145勝185敗。敢闘賞1回。通算成績425勝422敗4休。身長1メートル69、体重107キロ。

続きを表示

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

2024年3月19日のニュース