【玉ノ井親方 視点】大栄翔と翠富士、優勝経験の差で明暗…“追う立場”で開き直れるか

[ 2023年3月24日 19:12 ]

大相撲春場所13日目 ( 2023年3月24日    エディオンアリーナ大阪 )

<大相撲春場所13日目>明生を突き出しで破る大栄翔(左)(撮影・後藤 正志)
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 終盤に入り優勝経験がある者とそうではない者の差が出てきた。2年前に初優勝している大栄翔は落ち着いて明生を退け2敗を守った。立ち合いでしっかり当たって下から突き上げ、相手の上体を起こして突き出した。

 私の時もそうだったが、2度目の優勝争いの時は気持ちに余裕が出るものだ。もちろん体が硬くなったり、心が揺れたりはするが、その対処法は初めての時よりも難しくない。初賜杯を狙う翠富士はプレッシャーに加え、10日目から三役戦を迎えて、右を差す自分の形になっても押し切れないもどかしい相撲が続いている。

 ただ、参考になるかどうは分からないが、私が初優勝した時は終盤に連敗し、追う立ち場に変わってから開き直れた。翠富士も3敗に後退したことで思い切りの良さが出てくるかもしれない。14日目の大栄翔戦は懐に入る相撲が取れれば面白い。(元大関・栃東)

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