【二所ノ関親方 視点】若元春 昭和の力士ばりの二枚腰

[ 2023年3月24日 04:40 ]

大相撲春場所12日目 ( 2023年3月23日    エディオンアリーナ大阪 )

遠藤(右)を小手投げで下す若元春(撮影・成瀬徹)
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 若元春は土俵際の粘りで逆転勝ち。前には出られませんでしたが、元々残り腰も武器としている力士で、らしさ全開でした。好調の遠藤の出足を俵で残せたのも調子の良さを物語っています。相手の出る様子も見ながら下がっていく二枚腰は、昭和の力士を見ているようです。

 15日間全てで自分の形になることはありません。劣勢の中でもしっかり勝利を拾えることが好成績につながります。内容もそうですが、星数や結果はそれ以上に大事。劣勢の中での対応力も求められる中、この日の粘りは日頃の稽古のたまものとみました。

 最近は下半身の力を上半身にうまく伝えているのが好調の要因です。左を差したときの相手の脱力感は際立っていますし、左四つの形がしっかりと取れています。本人の心境は分かりませんが、大関昇進を意識してもいいのでは?とも思います。豊昇龍、霧馬山らと比べても一番「形」を持っているのが若元春の強み。個人的にはイチ推しです。 (元横綱・稀勢の里)

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2023年3月24日のニュース