島田麻央 憧れの“真央超え”日本勢最年少V「ビックリとうれしいの両方」14歳4カ月

[ 2023年3月5日 04:21 ]

フィギュアスケート世界ジュニア選手権第3日 ( 2023年3月3日    カナダ・カルガリー )

フィギュアスケートの世界ジュニア選手権で日本勢史上最年少優勝を果たした島田(共同)
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 女子のフリーが行われ、初出場の島田麻央(14=木下アカデミー)が152・76点で合計224・54点とし優勝した。14歳4カ月での制覇は、05年大会の浅田真央さん(14歳5カ月)を上回り男女通じて日本勢最年少となった。日本女子では16年の本田真凜以来、8人目の制覇。中井亜美(14=TOKIOインカラミ)は合計197・40点で銅メダルを獲得した。アイスダンスのリズムダンス(RD)で来田奈央(15)、森田真沙也組(19=ともに木下アカデミー)は18位発進となった。

 麻央が真央を超えた。SP首位から迎えた島田のフリー。冒頭でトリプルアクセル(3回転半)を成功させると、続く4回転トーループも着氷する。2本目の大技は回転不足を取られたが、最後まで大きなミスなく演技をフィニッシュ。キスアンドクライで150点超えのスコアを聞いた瞬間、目から涙があふれてきた。

 「今までは(大技の)両方が決まらなかったり、練習で思うように跳べなくてつらいときもあった。憧れの選手を超えられたことで(気持ちは)ビックリとうれしいの両方」

 大技2本を組み込んだプログラムの完遂に苦しんできたが、転倒などもなく滑り切った。フリー、合計点ともに自己ベストを更新しシニア勢をもしのぐ今季世界最高得点をマーク。日本勢最年少で金メダルを手にした。

 母・歩さんが浅田さんのファンだったことから「麻央」と名付けられた。物心がつく前から浅田さんの試合があるたび、抱っこされてあやされながらテレビ越しに応援してきた。「このメダルは自分にとって一番、いろんなことが詰まったものになった」。5歳からフィギュアスケートを始め、その存在を年少記録で上回った。

 北京五輪後に変更が決定した年齢制限によって、26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪には出場できない。それでも、7年後の冬季五輪で頂点に立つ姿を思い浮かべながら日々、トレーニングを重ねている。新たな勲章を手にした14歳が、さらに自分自身を磨き上げていく。

 ≪同学年・中井3位「まさか」高得点≫島田と同学年で初出場の中井が3位に入った。冒頭のトリプルアクセルは転倒したが、その後はルッツ―トーループの連続3回転を決めるなどノーミスの演技を披露。「まさかこんな点数が出るとは」と驚いた14歳は「こけた後に切り替えられたのが良かった」と笑みを浮かべた。日本勢2人が同時に表彰台に上がるのは、17年大会の本田真凜、坂本花織以来となった。

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