17歳・長谷川が金!ビッグエア日本勢初「選ばれた者しか立てない。自信になる」横5回転の大技成功

[ 2023年3月5日 04:57 ]

スノーボード世界選手権 ( 2023年3月4日    ジョージア・バクリアニ )

スノーボード世界選手権の男子ビッグエアを制し、祝福される長谷川帝勝(右)(共同)
Photo By 共同

 ビッグエアの男子決勝で、初出場の長谷川帝勝(たいが、17=STANCER)が177.25点で優勝した。この種目で日本勢が金メダルを獲得するのは男女を通じて初めて。女子は鬼塚雅(24=ISPS)が161.25点で2位となり、3位のスロープスタイルに続いて今大会2個目のメダルを獲得した。18年平昌、22年北京両冬季五輪を制したアナ・ガサー(オーストリア)が162.50点で2度目の優勝を果たした。

 ビッグエアで極めて難度が高い横5回転の大技を見事に操り、新たな歴史をつくった。全4種類の回り方を習得済みの長谷川。ただ一人、2回成功させて頂点に駆け上がり「表彰台の真ん中には選ばれた者しか立てない。そこに立ててめちゃくちゃ自信になる」と達成感をかみしめた。

 初の世界選手権での決勝で選んだのは一番自信を持つ逆スタンスでの「キャブ1800」と、正スタンスの「フロントサイド1800」。初優勝した1月のW杯で手応えを深めた構成で挑み、結実させた。

 昨季の北京冬季五輪代表を逃したように、負傷に泣いたシーズンもあった。今季は状況判断力も身に付き、飛躍した。17歳の新星は「自分が積み上げてきた練習量が大事なところで発揮された」と胸を張る。3年後の五輪金メダルに期待を抱かせる新王者が誕生した。

 ◇長谷川 帝勝(はせがわ・たいが)2005年(平17)10月23日生まれ、愛知県出身の17歳。ビッグエアで21年世界ジュニア選手権を制し、今年1月にはW杯初優勝を果たした。クラーク記念国際高2年。世界選手権初出場。STANCER所属。1メートル59、60キロ。血液型B。

 ≪女子は鬼塚銀≫鬼塚が日本勢として初めて一つの世界選手権で複数のメダルを手にした。この日の構成は一番こだわりを持つ斜め軸に縦2回転、横3回転半する「キャブダブルコーク1260」ではなく、2種類の横3回転技。悪天候の中でコーチと見極め「冷静に判断して挑めたことが成長。その結果の表彰台」と胸を張った。昨年の北京冬季五輪は果敢に「キャブダブルコーク1260」に挑んで失敗。再起を期した今季、「3年後の五輪に向けて、いい一歩を踏み出せた」と確かな進化を感じ取った。

続きを表示

2023年3月5日のニュース