トヨタ、12季ぶり東京SG戦勝利 姫野和樹が「みんなに伝えることができた」メッセージとは

[ 2023年3月5日 20:34 ]

ラグビーリーグワン第10節   トヨタ27―20東京SG ( 2023年3月5日    秩父宮 )

<東京SG・トヨタ>スタンドに笑顔であいさつする姫野(左)とマプスア(撮影・篠原岳夫)
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 トヨタ(旧トヨタ自動車)が東京SG(旧サントリー)との接戦を27―20で制し、9位に浮上して入れ替え戦圏内を脱出した。リーグ戦の同カードでトヨタが勝つのはトップリーグ(TL)時代の10~11年シーズン以来、12季ぶり。日本代表フランカーの姫野和樹(28)がチームを鼓舞し、自らトライを奪ってみせた。

 今季4勝目。姫野は「まずは勝てて、勝てて、ひと安心している」と安堵(あんど)した。チームは開幕節こそ白星発進したが、一時は4連敗するなど苦しい状況が続いていた。方向性や戦い方を複雑に考え「少し迷ってしまった」という。

 チームを立て直すため、共同主将として伝えたことは「シンプルにフィジカルに自分たちの強みを生かして戦うんだ」。リーダーとして「パッション、エナジー、愛情の火つけが役割」と言葉に力を込めた。

 言葉で伝えるだけじゃない。プレーでも示した。12―5の前半32分、キックオフボールを自陣キャッチすると、タックルしてきたNo・8箸本龍雅へ正面から突進。力強く振り切り、約5メートル先までキャリーした。

 「自分がキャプテンとして、リーダーとして、チームに見せないといけない。迷ったら“フィジカルで当たりにいくんだ”“自分たちの強みを出していくんだ”っていうメッセージをみんなに伝えることができた」。

 20―17と詰め寄られた後半34分には敵陣右ゴール手前の密集から抜け出しトライ。FW陣の連続攻撃が得点につながり「FWでガンガンいくのが、自分たちの中ではシンプルなプレー選択だった」と胸を張った。

 チームは12季ぶりに東京SG戦勝利。今季は低迷が続いていたが、昨季準Vチームを撃破し、入れ替え戦圏内も脱出した。姫野は「この試合を機に自分たちのやるべき方向性をチーム全体が理解した。ここから浮上するために、謙虚に一つ一つ積み上げて準備することがリーダーとしての課題」と頼もしかった。

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2023年3月5日のニュース