比嘉一貴 初の賞金王決定!1メートル58の最小兵27歳「実感が湧かないけど少しホッとした」

[ 2022年11月28日 05:06 ]

男子ゴルフツアー カシオ・ワールドオープン最終日 ( 2022年11月27日    高知県 Kochi黒潮CC=7335ヤード、パー72 )

賞金王を決めた比嘉一貴はボードを手に笑顔(撮影・井垣 忠夫)
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 ツアー本格参戦4季目の比嘉一貴(27=フリー)が初の賞金王戴冠を決めた。今季ここまで4勝を挙げ、獲得賞金は約1億8004万円。最終戦の日本シリーズJTカップで逆転される可能性がなくなり、身長1メートル58の最小兵賞金王が誕生した。沖縄出身者では17年の宮里優作以来2人目。大会はC・キム(32=米国)がツアー新記録となる通算32アンダーをマークし、昨年11月以来となる通算8勝目を完全優勝で飾った。

 ギャラリーからの「賞金王おめでとう!」の声に比嘉は右拳を突き上げて応えた。ツアーメンバー最小、1メートル58の27歳が初めてつかんだ賞金王のタイトル。しかも最終戦を残しての戴冠決定だ。

 「まだ実感が湧かないけど少しホッとした。あまり気にしていないけど、158センチという見出しが名前よりも先に来る。それが言い訳にならないゴルフをつくってきた。誰にでもチャンスがあると思ってくれたらうれしい」

 本格参戦4季目。6月のメジャー初制覇で賞金ランクトップに立ち、一度もその座を譲らなかった。その裏には、2つの変化がある。これまで毎週、詳細なメモを作ってきたが、この習慣を「捨てた」。感性を生かすためだ。そして月曜日にクラブを持つのをやめた。メリハリをつけたことで、昨年は体力が尽きていた終盤戦も安定。唯一のオフに家族で過ごし、「気持ちの面でも必要だった」。賞金王争いで重圧もあったが、「その中で過ごせたのは今となっては幸せ」と笑った。

 高校3年時に指を骨折したため、卒業後に予定していたプロ転向を諦め、東北福祉大に進学。17年に転向も日本ツアーの予選会で失格となり、戦いの場を求めてアジアツアーで第一歩を踏み出した経歴を持つ。描いていた青写真とは違ったかもしれない。だが、その一つ一つを成長の糧にしてきた。

 大学では尊敬する松山英樹との出会いもあった。賞金王争いに専念するため、今年の米下部ツアー予選会を断念したが、海外志向は強い。「賞金王になったからと言って、満足する感じはない。もっとうまくなりたい」。その視線の先には、やはり世界の舞台がある。

 ◇比嘉 一貴(ひが・かずき)1995年(平7)4月23日生まれ、沖縄県出身の27歳。10歳でゴルフを始め、高校時代に宮里優作らの父・優さんの指導を受ける。東北福祉大時代に15年ユニバーシアードで団体と個人の2冠。17年にプロ転向し、18年からシード入り。19年KBCオーガスタでツアー初優勝。ツアー通算6勝。趣味はサウナ。1メートル58、70キロ。

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