玉ノ井親方 阿炎は相撲が安定、大関を狙える力は十分ある

[ 2022年11月28日 04:55 ]

大相撲九州場所千秋楽 ( 2022年11月27日    福岡国際センター )

優勝決定戦の巴戦で貴景勝(左)を破り、幕内優勝を決めた阿炎(撮影・成瀬 徹)
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 【玉ノ井親方 視点】初優勝した阿炎と逆転負けを喫した高安の明暗を分けたのは、気持ちの差だった。

 本割の高安戦は阿炎の間合いの取り方のうまさが出た。押されても懐の深さを生かして高安の突きをかわし、体勢を立て直して突き倒した。逆に言えば高安は敗れるべくして敗れた。いつも終盤の大事なところで相撲が雑になる。今場所も13日目から相撲が変わってしまった。足のケガの影響もあるだろうが、一番の要因はメンタル。体が硬くなって足が前に出なくなり、引いて墓穴を掘った。

 巴戦は阿炎の作戦勝ちだった。最初の高安戦で変化して勝ったことで、貴景勝は立ち合いで思い切り当たれなかった。相手を見て立ったため逆に押されてしまった。

 阿炎は不祥事などで番付を落とし、そこからはい上がって精神的にたくましくなった。簡単に引かなくなり相撲が安定した。大関を狙える力はもう十分にある。次はそのチャンスをものにしてほしい。(元大関・栃東 スポニチ本紙評論家)

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2022年11月28日のニュース