東海大相模が“東の横綱”桐蔭学園を1点差撃破 逆転劇生んだトライの山本「歴史つくれてうれしい」

[ 2022年11月20日 20:03 ]

第102回全国高校ラグビー神奈川県予選決勝   東海大相模14―13桐蔭学園 ( 2022年11月20日    ニッパツ三ツ沢球技場 )

後半26分、逆転トライを決めた東海大相模の山本は左腕を突き上げる(カメラ・中出健太郎)
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 東海大相模が桐蔭学園に14―13(前半7―6)で逆転勝ちし、2大会ぶり10度目の全国大会出場を決めた。ブロック大会を経ない神奈川県代表としての花園出場は相模台工と2校で出た70回大会(90年度)以来32大会ぶりで、県からの単独出場は60回大会(80年度以来)以来42大会ぶり。19、20年度の全国2連覇など7大会続けて花園4強入りの“東の横綱”桐蔭学園の牙城を崩した。

 ロースコアの接戦に持ち込み、最後にトライを取り切って勝つ。思い描いたプランどおりに桐蔭学園を撃破した東海大相模の三木雄介監督は「こういう点差でしか勝てないと思っていた」と表情を緩めた。4年連続となった“横綱”との決勝対決を制したベースは、セットプレーの安定とブレークダウンでターンオーバーを連発した強固なディフェンス。三木監督は「この学年はディフェンスを頑張る選手が多い。このチームの強みと思っている」と話した。

 1メートル87のロック山本圭悟(3年)が攻守にわたって殊勲者となった。相手ボールを何度もスチールするなどラインアウトを支配。1対1のタックルやカバーディフェンスに体を張り、7―13で迎えた後半26分にはゴール前の連続攻撃から中央へトライを決めて逆転劇を生んだ。「ゴール前でミスやペナルティーができない状況で“規律”と声を掛け合って我慢していたら、最後に前が空いたので(ボールを)呼ぶだけだった」。1年生だった2年前には同じロックの上村太陽(現3年、主将)とともに花園に出場したチームで練習台を務め、当時力を入れていたラインアウトのディフェンスを教わった。今季は控え組の協力を得て、桐蔭学園のラインアウトを徹底的に分析。ボールを投げ入れる位置などを予測し、空中戦で優位に立った。高校入学後に身長が2センチ伸びたという山本は「今まで桐蔭学園に勝てなかった。自分たちの代で歴史をつくれてうれしい」と喜んだ。

 もう1人の立役者は1年生のWTB恩田暖だ。PG2本を決められて0―6だった前半22分、自陣でビッグタックルを決めて流れを変え、直後にPKから速攻を仕掛けたNo・8佐野睦海(3年)が一時逆転となるトライを奪い、接戦へと持ち込んだ。夏頃からメンバー入りし始めてレギュラーをつかんだ恩田について三木監督は「持ち味はディフェンスよりもラン。あのタックルは予想外。頑張りました」と称えた。

 花園での最高成績は55回大会(75年度)の8強。2年前は3回戦で御所実(奈良)に屈した。三木監督は「桐蔭さんの背中をずっと追い続けてきた。そこを超えられたのはうれしい」と話す一方、「桐蔭さんに勝って出る以上、結果が求められる。2年前は1月1日に負けた。それを超えられるようにしていきたい」と表情を引き締めた。

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2022年11月20日のニュース