千代大龍が電撃引退 焼き肉店開業へ 相撲協会に残らず 九重親方「もったいない逸材だった」

[ 2022年11月20日 10:59 ]

2022年5月 夏場所10日目 琴恵光(右)を押し出しで下す千代大龍(撮影・久冨木 修)       
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 大相撲の幕内・千代大龍(34=九重部屋)が20日、現役を引退することとなった。師匠の九重親方(元大関・千代大海)によると、この日朝に引退届を提出したという。

 九重親方が取材に応じ、千代大龍が引退を決意した経緯について説明した。「“思うように相撲が取れない。力が出ない”と話をされたのは先場所後。体の張りを見ても引退するような体ではないし、そこでは“もう一回頑張れよ”と話した」。いったんは現役続行となり、今場所7日目を取り終えて2勝5敗となったところでもう一度相談され「体力の衰えが見えた。辞めたいという気持ちで土俵に上がるのはよくないので承諾した」と引退に至った。

 まだまだ幕内力士として十分な力を持っていただけに、師匠は「もったいないなと思いながらも、惜しみつつ仕方ないな」と複雑な心境を語った。それでも「病気(糖尿病)を抱えて体を酷使して、部屋頭もやってくれていた」と、約10年間幕内で活躍した愛弟子を思いやった。

 「鳴り物入りで入ってきて1場所しか三役にいられなかった。もっと上を目指せなかったというのは自分で反省するところ。良いものを持っていたので大関横綱までいけたんじゃないかなと。もったいない逸材だった」。千代大龍の力士人生を振り返り、大関や横綱に育て上げられなかったことを悔やんだ。
 千代大龍は今後、日本相撲協会には残らない予定。関係者の話によると、都内で焼き肉店の開業を目指すという。


 ◇千代大龍 秀政(ちよたいりゅう・ひでまさ)本名=明月院秀政。1988年(昭63)11月14日生まれ、東京都荒川区出身の34歳。小6から葛飾白鳥相撲教室で相撲を始め、大道中、足立新田高を経て日体大に進学。3年時に全国体重別135キロ以上級優勝。4年時に東日本選手権優勝、東日本体重別無差別級優勝、国体優勝、世界選手権重量級3位、全国学生選手権優勝(学生横綱)、全日本選手権3位。九重部屋に入門し、11年技量審査場所で幕下15枚目格付け出しデビュー。12年初場所で新十両。同場所で十両優勝。12年夏場所で新入幕。13年春場所、日馬富士から初金星。13年九州場所、技能賞を受賞。14年秋場所で新小結。幕内在位58場所。三役在位1場所。金星3個。幕内成績384勝432敗46休。通算成績463勝482敗50休。1メートル81、189キロ。得意技はカチ上げ、突き押し、はたき込み。

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