帝京大・相馬新監督が初タイトル「将来思い出す」名将・岩出前監督からチームを継承 関東大学対抗戦

[ 2022年11月20日 19:51 ]

ラグビー関東大学対抗戦Aグループ   帝京大29―13明大 ( 2022年11月20日    東京・秩父宮ラグビー場 )

<帝京大・明大>前半、帝京大・小村が逆転トライを決める(撮影・篠原岳夫)
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 5戦全勝同士の対戦は、帝京大が29―13で明大を下し、6勝目を挙げた。この結果、帝京大はボーナスポイント(相手の3トライ以上)を含む勝ち点5を加えて総勝ち点30とし、1試合を残して2季連続11度目の対抗戦優勝を決めた。19日に開幕した全国大学選手権では、12月25日の準々決勝から登場し、2季連続11度目の優勝を目指す。

 大学日本一10度の金字塔を打ち立て、昨年度限りで退任した岩出雅之前監督の後を継いだOBの相馬朋和監督(45)にとっては、うれしい就任1年目での初タイトル獲得となった。会見では優勝のことを問われると、「4年生にとっては大切な1年間で、人生で一度しかない。区切りの試合で勝てたことは心からうれしい」と笑顔。続けて「もちろん先を見ているが、(就任)1年目のことは将来思い出すだろうと思う」と喜んだ。

 希代の名将から10度目の大学日本一を果たしたチームを託された。この日はケガの影響で欠場したCTB松山千大主将(4年)が「(監督交代直後は)うまく行かないことばかりだった。相馬さんは昨年からチームに来て、文化を分からない部分があったと思う」と振り返るように、130人を超える部員たちとは、当初は同じ絵を見ることができなかった。

 転機となったのが、今年5月の明大戦での敗戦。公式戦としてカウントされる春季大会とはいえ、ほとんどの大学にとってはチーム作りの時期であり、戦力的にも整っていない状況での試合。だが帝京大は26―35で敗れた直後、多くの選手が本気で悔し涙を流したという。「昨年度、日本一になって、“これだけやっておけば大丈夫だろう”と妥協する選手が何人かいた。そのマインドを切り替えるのが難しかったが、明大に負けて、そこから変わった」と松山主将。試行錯誤を続ける監督と、本気のスイッチが入った選手が一体となり、以降は練習試合を含めて無敗でタイトルにたどり着いた。

 現役時代は大型プロップとして活躍し、日本代表として07年W杯フランス大会に出場しトライもマーク。3月の就任会見ではダイエットを宣言していたが、現在の体重も現役時代を大きく超える130キロ超だという。大学日本一になれば監督の胴上げが恒例だが、「まだ体重が減っていない。(来年1月8日の)決勝に間に合わない。選手が壊れちゃう」とこちらは早くも白旗を宣言した。

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2022年11月20日のニュース