【玉ノ井親方 視点】腰を下ろし突き押しに徹する王鵬

[ 2022年11月20日 04:50 ]

大相撲九州場所   7日目 ( 2022年11月19日    福岡国際センター )

王鵬ははたきこみで英乃海を下す(撮影・中村達也)
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 今場所の王鵬は腰の構えが良い。以前は腰高になって重心が定まらず、ブレるところがあったが、今はしっかりと腰を下ろして取っているので簡単に押されない。英乃海戦も相手の動きをよく見て、左でいなして体勢を崩して土俵にはわせた。

 突き放して取る今のスタイルは父親に似ているが、貴闘力関は張り手を交えながら突っ張って取るタイプで、もっと荒っぽかった。王鵬は正攻法の押し相撲。ただ、体は祖父の大鵬さんのような柔軟さが感じられる。先代玉ノ井親方(元関脇・栃東)が“大鵬さんは体が凄く柔らかくて、当たっても吸い込まれるようだった”と言っていたが、それをほうふつさせる。

 まだ今は四つに組むと上からかぶさって取る癖があるので、それをやらないように突き押しに徹しているのだろう。左右どっちの四つでも良いので、引きつけて前に出る相撲を覚えれば、かなり怖い存在になる。 (元大関・栃東)

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2022年11月20日のニュース