女子ゴルフ・藤田さいき 亡きキャディにささぐ…涙の復活優勝「どうしても彼のためにも優勝したいなと」

[ 2022年11月20日 14:52 ]

女子ゴルフツアー  大王製紙エリエールレディース最終日 ( 2022年11月20日    愛媛県 エリエールGC松山(6575ヤード、パー71) )

<エリエールレディース最終日>カップを手に笑顔の藤田さいき(撮影・井垣 忠夫)
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 1打差の2位からスタートした藤田さいき(36=チェリーゴルフ)が4バーディー、ボギーなしの67で回り、通算21アンダーまでスコアを伸ばし、逆転優勝を決めた。

 試合後に藤田は「11年ぶりなので何も考えていなくて…。伝えたいことが沢山ありすぎて、ここでは伝えきれないので、とにかく皆さんに支えられてここまで来られたことに本当に皆さんに感謝したいです。ありがとうございます」と涙を浮かべた。

 「最終戦までキャディをしてくださる予定だった方が今年の10月に亡くなってしまった。4月のフジサンケイでもホールインワンを一緒に達成して、これからという時にそういうことがあったので、どうしても彼のためにも優勝したいなと思っていたので、それを見せることが出来て嬉しかった」と今年の10月9日に食道がんとの闘病の末に亡くなったプロキャディーの橋本道七三(みちひさ)さんのことを思いやった。

 最後には「やっぱりここまでずっと支えてくれた旦那さんに感謝したいと思います。そして、ずっとこの年まで一緒に戦ってくれている上田桃子ちゃんにも感謝してます。そして支えてくださっている皆様、スポンサーの皆様、ギャラリーの皆様、本当に感謝しています。ありがとうございました」と伝えた。

 初日は4バーディー、ボギーなしで67をマークし、首位に3打差の9位タイと好スタート。2日目は7バーディー、1ボギーの65と順調にスコアを伸ばし2位に浮上した。3日目も8バーディー、1ボギーの64で回り、通算17アンダーまでスコアを伸ばし、2位をキープ。首位の鈴木愛(28=セールスフォース)とは1打差で最終日を迎えた。

 難度の高い5番パー4で右バンカーからの2打目をピン手前3メートルにつけ、最初のバーディーを奪い、勢いに乗った。鈴木愛とのマッチプレーの様相となったV争い。9、15番では互いにバーディーを奪い合った。最後はこの日もボギーなしと安定感が光った藤田に軍配が上がった。最終18番、ピン左約1メートルのウイニングパットを沈めると、次の瞬間、カップ横にしゃがみ込み、号泣。涙の復活劇となった。11年10月16日の富士通レディス以来、11年35日ぶりの優勝。88年のツアー制施行後では先月の樋口久子・三菱電機レディースを11年189日ぶりに制した金田久美子に次ぐ歴代2位の「ブランクV」達成となった。

 ◇藤田 さいき(ふじた・さいき)1985年(昭60)11月22日生まれ、静岡県沼津市出身の36歳。14歳でゴルフを始め、06年プロテスト合格。同年プロミス・レディースで初優勝し11年の富士通レディースまでツアー通算5勝。16年から登録名を「藤田幸希」から「藤田さいき」に変更した。趣味は映画観賞。1メートル68、67キロ。

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