宇野 初の世界一!世界歴代3位の312・48点で日本人3人目、坂本と8年ぶり日の丸アベックV

[ 2022年3月27日 05:30 ]

フィギュアスケート世界選手権最終日 ( 2022年3月26日    フランス・モンペリエ )

男子フリーで演技する宇野(撮影・長久保 豊)
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 男子フリーが行われ、北京五輪銅メダルの宇野昌磨(24=トヨタ自動車)がSPに続きフリーでもトップの202・85点をマークし、世界歴代3位の312・48点で初優勝を果たした。25日の女子フリーでは、北京五輪銅メダルの坂本花織(21=シスメックス)がフリー155・77点、合計236・09点とも自己ベストで初制覇。10年の高橋大輔と浅田真央、14年の羽生結弦と浅田真央以来8年ぶり3度目のアベックVとなった。日本は男女とも上位2人の順位合計「13」以内で、来年3月の世界選手権(さいたま市)出場の最大3枠を確保した。

 シーズンの最後に、やっと笑えることができた。演技後、宇野は何度もうなずいた。SPに続き、フリー、合計点の全てで自己ベストを更新。「優勝できて凄いうれしい」。6度目の世界選手権で初めて表彰台の頂に立った。

 フリーは4回転4種5本を組み込む、自身の最難関プログラム「ボレロ」。冒頭の大技4回転ループを完璧に決め、出来栄え評価(GOE)で4・05点を引き出した。2本目のトーループで回転不足を取られたが、サルコー、フリップではGOE3点台の加点がついた。フリーで史上4人目の200点超えを果たし、合計でもチェン、羽生に次いで歴代3位の高得点をマークした。

 銅メダルだった北京五輪では、フリーにミスが相次いだ。元世界王者のステファン・ランビエル・コーチからは「僕が振り付けたボレロじゃない」とフィードバックを受けた。コロナ下のため日本で練習していたが、今大会前は本来の拠点であるスイスでランビエル・コーチと調整。コーチのこだわるステップを含め、演技後半の要素を修正してきた。

 今大会は五輪連覇の羽生結弦(ANA)、北京五輪金メダルのネーサン・チェン(米国)がケガで欠場。有力候補に挙げられたが、「自分のためだけにスケートをするのが得意ではない」と言う。「自分のためというより誰か支えてきてくださった人のために、と考えた方が緊張もしない」。そして、苦しい時に一番支えてくれたランビエル・コーチのために「ボレロ」をささげた。その結果が優勝を生んだ。

 高橋大輔、羽生に続いて日本人3人目の世界王者となった。それでも、宇野がおごることはない。「僕は今シーズンがスタートだと思っていた。少なくともここがゴールではない」。さらなる成長へののろしを上げた。

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2022年3月27日のニュース