若隆景 初優勝も表情崩さず「震災から11年経った」 最年長・玉鷲からの“お願い”には笑顔「困ります」

[ 2022年3月27日 18:50 ]

<春場所千秋楽>優勝を決め内閣総理大臣賞を受ける若隆景(左)(撮影・後藤 正志)
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 大相撲春場所は27日、エディオンアリーナ大阪で千秋楽の取組が行われ、首位タイの新関脇・若隆景(27=荒汐部屋)、平幕・高安(32=田子ノ浦部屋)がともに敗れ3敗目。優勝決定戦までもつれることになり、若隆景が高安との直接対決を制し初優勝。福島県出身としては72年初場所の初代栃東以来、50年ぶりとなる幕内優勝を決めた。また、新関脇の優勝は36年の双葉山以来、86年ぶりの快挙となった。

 初優勝を決めた若隆景だが、表情は崩さず内閣総理大臣賞を受けとると「重たかったです」と冷静にポツリ。高安との優勝決定戦については「最後、何とか残せたっていうのは自分の感覚としてはあります」とコメント。特別喜んだ様子は見せず「下からの攻めっていうのが、今場所は特に良かった。(まだまだ)来場所からが大事だと思います」と、視線はすでに来場所を見据えていた。

 インタビュアーから両親が見に来ているという話を振られると「家族にはいつも支えてもらっているので、いいところを見せられたと思います」と喜び。さらに幕内最年長の37歳・玉鷲から「相撲教えて」と“お願い”されたことを聞かされると、寡黙な若隆景もさすがに表情を崩し笑顔。「ハイ…困ります」と答えると、会場が笑いの声であふれた。

 福島県出身力士としても感慨深かったようで「震災から11年経って、まだまだ復興も進んでないところもあるんで、こういう風に自分が土俵で精いっぱい戦っている姿を(今後も)届けられたらと思います」と東日本大震災から11年が経つ故郷への想いを寄せた。

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