岡崎真氏 緊張感でさらに研ぎ澄まされた坂本の演技

[ 2022年3月27日 05:30 ]

フィギュアスケート世界選手権第3日 ( 2022年3月25日    フランス・モンペリエ )

演技する坂本花織(撮影・長久保 豊)
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 【岡崎真の目】坂本は五輪で一度ピークをつくり、それから1カ月後にまた大舞台を迎えるのは本当に調整が大変だったはずだ。しかも日本勢として次回の枠取りがかかっており、五輪とはまた違うプレッシャーもあったに違いない。そんな中で自分のやるべきことをきちんとこなしてシーズンベストを更新したのは素晴らしい。元々ジャンプだけではなくスピンやステップも上手な選手で、今回はレベルの取りこぼしもなかった。全ての要素でプラスの評価がもらえたのは、自分の持ち味を最大限に生かした結果と言っていい。

 日々つらい練習をこなしてきたという裏付けがあるので、彼女の中には確固たる自信ができているのだろう。だから緊張感はあっても不安要素はなかったはずで、逆に緊張感でさらに演技が研ぎ澄まされたようにすら感じられた。

 五輪で銅、世界選手権で金メダルを獲ったことで、しばらくは一種の燃え尽き症候群のような状態になるかもしれない。その後で、もし再び4年後を目指すのであれば、トリプルアクセルや4回転ジャンプなど何か新しい武器が必要になってくるだろう。同時にそれが新しいモチベーションにもつながるはずだ。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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