岡崎真氏 宇野、世界選手権Vも通過点…ジャンプでまだまだ“伸びしろ”

[ 2022年3月27日 12:35 ]

フィギュアスケート世界選手権最終日 ( 2022年3月26日    フランス・モンペリエ )

<世界フィギュア2022 男子フリー>演技する宇野昌磨(撮影・長久保 豊)
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 宇野は冒頭から引き締まったいい表情で、落ち着いているのが見て取れた。前半から素晴らしい内容で、このままクリーンプログラムで滑りきりたいという欲が出たのか、後半の4回転トーループと3連続ジャンプでは乱れが出た。3連続はうまくサードジャンプにつながらず1回転になってしまったが、無理やり3回転を飛んで転倒するとGOE(出来栄え評価)がマイナスになり、減点もされてしまうのでいい判断だったと思う。少し課題を残しつつ最高の結果が出せたと考えれば、また次へのモチベーションにもつながるだろう。

 五輪からまだ1カ月しかたっておらずモチベーションを保つのが難しい中、宇野はしっかりと今後を見据えてどんどん進んでいるように見えた。彼の求めているものはもっと高いところにあるはずで、この優勝もまだ通過点に過ぎないのだろう。羽生や鍵山に比べると若干ジャンプのGOEが少ない印象があるので、ただ成功させるだけではなく、今回のようになるべく加点を多くつけられるように取り組んでいけばまだまだ伸びしろがあると思う。

 鍵山は十分に優勝が狙えるところにいただけに悔しい結果となった。ただまだ若いし、先のことを考えればむしろ2位だったことでこの悔しさがバネになるはずだ。来季以降に2人がどれだけレベルアップしているか楽しみだ。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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2022年3月27日のニュース