高安 26日にも初V 大関・貴景勝破り1敗死守で単独トップ 正代戦勝ち、若隆景負けで決定

[ 2022年3月26日 05:30 ]

大相撲春場所13日目 ( 2022年3月25日    エディオンアリーナ大阪 )

高安(左)は上手投げで貴景勝を破る(撮影・奥 調)
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 先祖ゆかりの地で初優勝に王手をかけた。大阪府八尾市にルーツを持つ平幕の高安が大関の貴景勝を上手投げで転がし、1敗で再び単独トップに立った。14日目に大関の正代に勝ち、2敗の新関脇・若隆景が貴景勝に敗れれば優勝が決まる。新大関・御嶽海、平幕・琴ノ若は3敗で踏みとどまり逆転優勝に望みをつないだ。

 立ち合いで、やや押し込まれてから激しい突きの応酬。頭に血が上りそうな場面でも元大関の高安は貴景勝の動きを冷静に見極めた。左下手でつかまえ、右上手をつかむと同時に転がした。「再三、突き放されましたけど何とか残して。本当に気持ちで取りました」。出番直前に東の控えで若隆景の敗戦を見ても「自分の相撲に集中しようと思った」。目を閉じ、心を落ち着けて土俵に上がった。

 先祖ゆかりの大阪で“凱旋”初優勝が目前だ。しこ名の高安は本名で、大阪府八尾市の高安地区が発祥地ともいわれる。飛鳥時代、この地に高安城を築いた豪族が「高安」氏を名乗ったという。この縁もあり、コロナ以前の19年春場所前、高安は同市役所へ田中誠太市長(当時)を表敬訪問。初優勝すれば同市でパレード実施する話題などで盛り上がった。近鉄・高安駅西側「高安さくら商店街」の増井保彦副会長(60)は「ざわついてきました」と商店主らの盛り上がりを伝える。自身のふとん店は、しこ名を刺しゅうした座布団を用意し、他の有志も優勝企画を検討中。増井さんは「(高安が)3年前に“結果を出して先祖の墓参りを”とおっしゃった。優勝して実現してほしい」と声が弾む。

 大関3連戦の高安は14日目、正代に挑む。過去9勝15敗とやや劣勢、相手はカド番脱出も懸かる。「大阪場所を盛り上げたいと思い、やってきて結果も出た。達成感はある。気を引き締めていきたい」。穏やかな口調に自信がにじんでいた。

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2022年3月26日のニュース