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御嶽海 口上でも長野愛 「感謝」と「持ち味」恩師の言葉と母校の石碑引用 大関昇進伝達式

[ 2022年1月27日 05:30 ]

口上を述べる御嶽海(中央)
Photo By 代表撮影

 日本相撲協会は26日、東京・両国国技館で大相撲春場所(3月13日初日、エディオンアリーナ大阪)の番付編成会議と臨時理事会を開き、関脇・御嶽海(29=出羽海部屋)の大関昇進を正式に決めた。29歳1カ月での大関昇進は、年6場所制となった1958年以降では6番目の年長記録。長野県出身力士として雷電以来、227年ぶりの大関となった御嶽海の次なる目標は、長野初の横綱昇進だ。

 使者の春日野理事(元関脇・栃乃和歌)と大鳴戸審判委員(元大関・出島)を待つ間、御嶽海は何度も口を動かしながら緊張をまぎらわせていた。伝達式。「大関の地位を汚さぬよう、感謝の気持ちを大切にし、自分の持ち味を生かし、相撲道にまい進してまいります」と力強く口上を述べた。出来栄えは「満点です」。明るい性格の新大関が笑顔を爆発させた。

 郷土愛に満ちた所信表明だった。口上に盛り込んだ「感謝」は「中学から恩師に“感謝の気持ちを忘れないで相撲を取りなさい”と言われていた」と説明。「自分の持ち味を生かし」は母校の福島中(現木曽町中)の石碑に記された文字から引用した。出羽海部屋出身の立行司、第28代木村庄之助(本名後藤悟、故人)の言葉で「絶対にそれを使いたい、と。同じ出羽海部屋だったので、それを使わせていただいた」とこだわりを口にした。

 東洋大4年時の2014年9月27日。御嶽山が噴火する災害が起きた。当時は大相撲に進むか就職するかを悩んでいたが、出羽海部屋の入門を決断。しこ名には、御嶽山と出羽海を組み合わせた。「地元はいまだに暗い雰囲気。少しでも勇気づけられるように頑張っていく」。それから約7年。待望の昇進に「長野県の皆さん、本当にお待たせしました」と実感を込めた。

 学生時代に学生横綱とアマ横綱に輝くなど15冠。十両昇進は所要2場所、入幕も4場所と素早く駆け上がったが、三役昇進からこの日まで7年を要した。「大関候補」と呼ばれながらライバルの貴景勝、正代には先を越された。「悔しかった」。20代最後の年。勝負をかけた初場所では地元・上松町から贈られた化粧まわしを13日目から使用し「たまっていたパワーをいただいた」と力に替えた。

 長野県では伝説の最強力士、雷電為右衛門以来、227年ぶりの新大関誕生。一つの歴史をつくったが、支えてくれた人たちへの恩返しはこれからが本番だ。「まだまだ追いかけるものがある。まだ一つ上の番付もある。今まで以上に気を引き締めてやっていくしかない」。雷電の時代にはなかった横綱の地位。喜びにあふれたこの日は、長野初という新たな挑戦への旅立ちの日となった。

 ≪月給70万円アップ≫▽大関の待遇 日本相撲協会の看板として、横綱とともに各種行事に参加する。月給は横綱の300万円に次ぐ250万円。関脇、小結から70万円アップする。2場所連続で負け越すと陥落するが、関脇に落ちた場所で10勝以上すれば翌場所に復帰できる。場所入りは運転手付きの自家用車の利用が許され、移動時の新幹線はグリーン車。海外公演など航空機移動の際はファーストクラスとなる。横綱昇進は2場所連続優勝か、それに準じる成績が必要とされる。

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