沙羅、悲願金へ“賭け”ぶっつけ北京五輪 ヒルサイズ違う今週末のW杯あえて回避

[ 2022年1月27日 05:30 ]

オンラインで内定会見に臨む高梨沙羅
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 ノルディックスキー・ジャンプ女子北京五輪代表の高梨沙羅(25=クラレ)が26日、オンラインで代表内定会見に臨み、五輪前最後の実戦となる今週末のW杯(ドイツ・ビリンゲン)に出場せず、2月5日決勝の五輪個人戦本番に直行することを明かした。五輪個人戦のノーマルヒルとはサイズが大幅に異なるW杯を回避し、感覚を研ぎ澄ます。W杯不出場はリスクも伴うが、悲願の金メダル獲得へ“賭け”に出る。

 3度目の金メダルへの挑戦へ、最終調整に全集中する。スロベニア・プラニツァに滞在中の高梨は、今週末のW杯混合戦と個人2戦を回避すると明言。その理由として「五輪はノーマルヒル(での実施)。ビリンゲンはラージよりもサイズが大きい台。目指しているのは五輪で、調整時間が必要と判断したので欠場する」と説明した。

 ビリンゲンのヒルサイズ(HS)は通常のラージヒルよりも大きい147メートル。一方、五輪で女子はノーマルヒルのみで争われ、HSは106メートルだ。一度大きな台で飛んだ後、2月5日までの1週間で“五輪仕様”に戻すのは容易ではない。横川朝治ヘッドコーチも「(出場が)裏目に出ることもある。大きな台で飛ぶと大変なので、逆に抑えようと」と決断の理由を明かした。

 デメリットもある。実戦感覚が鈍ることに加え、現在5位に付けるW杯の総合ランキングを落とし、五輪本戦での飛躍順が前倒しになる可能性がある。クラマー(オーストリア)やアルトハウス(ドイツ)といったライバル勢の動向も見られない。それでも先週末はW杯下部のコンチネンタル杯2戦で連勝。「自分にとってはいいきっかけになった」と独自調整に手応えも得ており、周りに惑わされずに五輪へ集中する。

 「(完成度は)9割まで来ている。結果も求めて準備してきたので、メダルを目指して頑張りたい」と高梨。最後の1割を残り数日で突き詰め、2月1日、北京入りする。

 ▽高梨の過去2大会の五輪 開幕から4連勝するなど、13戦10勝と圧倒的な強さでW杯ランキング1位に立ち、金メダル候補として臨んだ14年ソチは1回目に3位につけたが、2回目に距離を伸ばせず4位。2度目の大舞台となった18年平昌シーズンはルンビ(ノルウェー)の台頭でW杯未勝利のランキング3位で臨み、日本女子ジャンプ初の五輪表彰台となる銅メダルを獲得した。

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