ウィザーズのビールが米代表から外れる 感染防止規定による無念のリタイア グラントも離脱

[ 2021年7月16日 09:30 ]

五輪直前で代表から外れたブラドリー・ビール(AP)
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 男子バスケットボールの米国代表に選出され、すでにラスベガス(ネバダ州)での強化試合に3試合出場していたNBAウィザーズのブラドリー・ビール(28)が15日、東京五輪の初戦(25日=対フランス)を目前にして代表からメンバーから正式に外された。

 初の五輪代表となったビールは今季リーグ2位の31・3得点を挙げ、強化試合(3試合)ではすべて先発して平均10・3得点をマーク。合宿の前には「子どものころから五輪でプレーするのが夢だった」と大舞台にかける意気込みを語っていた。しかし14日なって新型コロナウイルス感染防止規定(プロトコル)の対象となり、代表チームから離脱。さらに15日になってピストンズのジェラミー・グラント(27)も念のためにプロトコルの対象となってチームを離れたために、スポーツ専門局のESPNは16日に予定されている強化試合の第4戦(対オーストラリア)は中止になる可能性があると伝えている。

 代表のチームメートでもあるヒートのバム・アデバイヨ(23)によればビールに症状は出ていないというが、ワクチン接種を受けていたかどうかは非公表。チームを率いるグレグ・ポポビッチ監督(72)は「間違いなく大きな損失。彼はすべてを理解してうまくプレーしていた。ビールの代わりなんていないんだ。彼に会いたいよ。みんなそう思っている」とショックを隠せない様子。グラントは今後の検査をクリアすれば復帰できる見込みだが、2度目の五輪となるウォリアーズのドレイモンド・グリーン(31)は「国を代表してプレーするというのはすべての選手の夢。しかしその機会を奪われてしまうと、同情することしかできない。こうならないことを願っていただけに残念だ」と語っていた。

 米国代表は19日に出発して日本に向かうが、ESPNによれば五輪代表メンバーを選考する「USAバスケットボール」ではビールの代替選手を選ぶための緊急ミーティングをこの日の夜に開催。レイカーズのレブロン・ジェームズ(36)や得点1位だったステフィン・カリー(33)らがリストアップされていた57人の最終候補メンバーから補充することは可能だが、ほとんどの選手がオフに入っているために誰を選ぶのかが注目されるところだ。

 なお現在、NBAファイナルに出場しているバックスのドリュー・ホリデー(31)とクリス・ミドルトン(29)、サンズのデビン・ブッカー(24)は代表にまだ合流しておらず、現時点で米国代表に帯同しているのはケビン・デュラント(32)ら7人のみ。2勝2敗となっているファイナルは少なくとも20日の第6戦まで行われることが確定しており、米国代表はこの3人を欠いての来日になりそうだ。

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2021年7月16日のニュース