2年ぶりのツアー5勝目を挙げた勝みなみ キャディーとして支えた母・久美さんの役割とは

[ 2021年6月2日 10:30 ]

キャディーを務めた母・久美さん(左)と優勝カップを手に笑顔の勝みなみ(撮影・椎名 航)
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 【福永稔彦のアンプレアブル】女子ゴルフのリゾートトラスト・レディースで勝みなみ(22=明治安田生命)が逆転優勝を飾った。

 2年ぶりのツアー通算5勝目は、キャディーを務めた母・久美さん(54)とのコンビで初めて手にした勝利でもあった。

 小学校の教諭だった久美さんは、ゴルフに打ち込む娘のために退職し、身の回りの世話を焼くなどサポートしてきた。ツアーでバッグを担ぐ姿も度々見られた。

 しかし、近年は専属キャディーと調整がつかない場合などに限られ、その機会はめっきり少なくなった。昨年は海外メジャーAIG全英女子オープンを含む2試合だけだった。

 今年最初の“登板”は4月下旬のフジサンケイ・レディースだった。勝は第2日に78を叩いて予選落ちした。ミスをして「駄目だ。悪いイメージしかない」と弱音を吐く娘を間近で見ていた久美さんは「ボロボロだった」と振り返る。

 約1カ月後、再び相棒を引き受けたのには理由があった。「調子が良くなくて、負のスパイラルにハマっていきそうだったので、近くで見ていようかなと思ったんです」。前週までの5試合で予選落ち3回、棄権1回と苦しむ娘を側で支えようと考えたのだ。

 母が心配していた通り“弱気の虫”が顔を出した。第2日の11番で第2打を右に大きく曲げた勝は「また悪いイメージが出始めた」とつぶやいた。

 久美さんは「たった1回の失敗なのに、自分で悪い方に持って行っているよ。ここから頑張れば良いんだから」と励ました。すると、そのホールを境にショットの調子が徐々に良くなっていった。

 優勝決定後、久美さんは「パットのラインや風を聞かれたけど、私には分からないので“そうだね”“そう思うよ”と答えていました。一生懸命ラインを読むふりをすると、ホントにパットが入る気がするんですよ。特に何もしていません」と豪快に笑った。

 しかし、勝は「母には本音を言える。一番近くにいて、自分のことを一番分かっているので言いやすい」と母の存在の大きさを強調した。言葉を交わすことで、心を落ち着かせることができる。久美さんはメンタルトレーナーのような役割を果たしていたのだ。

 優勝副賞にペアのハワイ旅行があった。航空券はビジネスクラスで、高級ホテルのスイートルームに宿泊できる。孝行娘は「母がハワイに行きたいと言っていたので、一番喜んでいると思う。いつか行けたらいいな」と言って顔をほころばせた。(スポーツ部専門委員)

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