Smile Again!大坂なおみ うつ告白し全仏棄権、当面休養 18年全米以降悩まされ…

[ 2021年6月2日 05:30 ]

全仏オープン1回戦で勝利した大坂は試合後の記者会見を拒否した(AP)
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 テニスの全仏オープンで、シングルス1回戦勝利後の記者会見を拒否した大坂なおみ(23=日清食品)が5月31日、自身のツイッターで2回戦の棄権を表明し、4大大会初優勝を飾った18年の全米オープン以降、うつに悩まされてきたことを明かした。主催者側から大会追放などの厳罰も含めた警告を受けていた中での衝撃告白。会見を義務化する規定を改めて疑問視した上で、当面は休養する方針を示した。

 会見ボイコット騒動が急展開を迎えた。大坂は5月31日にツイッターで棄権を表明。さらに「18年の全米オープン以降、長い間うつに悩まされてきたことが真実です。対処にとても苦しんできました」と衝撃告白した。開幕前の27日に大会中の取材に応じない方針を示し、30日の1回戦勝利後は予告通り会見を拒否。4大大会の主催者は違反が続けば全仏失格に加え、他の4大大会も出場停止となる可能性を共同声明として通告する中、2年近くに及ぶ心の病が打ち明けられた。

 歓喜が苦悩の始まりだった。18年9月の全米で4大大会初制覇。当時20歳のニューヒロインの誕生にテニス界が沸き、メディアも殺到した。注目を浴びる中で続く19年全豪でも優勝。アジア選手として初めて世界ランキング1位にも就いた。そのブレークが重圧を生み、早期敗退後の会見で涙するなど心の不安定さが目立ち始めた。

 20年1月に兄と慕ったNBAの元スーパースター、コービー・ブライアント氏がヘリコプター事故で死去したことや、新型コロナ感染拡大後は最大の理解者の父・フランソワさんがツアーに同行していないことも追い打ちをかけた。一方で20年全米では黒人差別に抗議しながら優勝し、自身の考えを主張する精神的タフさを発揮。ここ数年は心が激しくアップダウンしていた。

 うつが明らかになり、会見拒否の姿勢に否定的だった周囲の目は一変した。大坂は会見出席の義務に改めて異論を唱え「少しの間、コートを離れるが、時期が来たらツアーと協力して選手、報道機関、ファンにとって事態を改善するための方法を話し合いたい」とつづった。

 結果的に「選手の心の健康」への問題提起とはなったものの、もし大会前に診断書を提出して事前協議がなされていれば、事態がここまで深刻化しなかった可能性は高い。東京五輪出場選手は全仏終了後の6月14日付世界ランキングで決まり、現在2位の大坂は出場圏内。ただし、復帰時期は不透明だ。当面は休養に専念し、心身共に万全の状態でコートに戻ってくることを、今は世界中の誰もが望んでいる。

 ≪完璧主義者がなる傾向≫精神科医・高木希奈氏の話 大坂選手が「うつ状態」か「うつ病」かによって状況は大きく異なる。うつ状態は健康な人でもなりうる状態像であり、何らかのストレス要因により症状が一時的に出現することを指す。うつ病はうつ症状が2週間以上続き、仕事や日常生活に支障を来す場合に診断される。同じ症状が出る双極性障害(そううつ病)の可能性も考えられる。

 うつ病の発症要因は明確になっておらず、遺伝素因、性格傾向、成育環境、脳内の神経伝達物質の乱れ、ストレスなど複合的な要素が絡み、真面目で責任感が強い完璧主義者がなる傾向が強い。治療は薬物療法中心に精神療法、ストレスの少ない生活に変える環境調整などがある。一般的に回復には数カ月から半年程度を要す。

 うつ状態でもうつ病でも基本的には休養が必要。練習を含め、負荷がかかることはお勧めできない。東京五輪は出場できたとしても最高のパフォーマンスを発揮することは難しいかもしれない。

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