東九州龍谷 準決勝敗退、小さな大エース・室岡 最多22得点で前回MVPの意地

[ 2021年1月10日 05:30 ]

バレーボール 全日本高校選手権第4日 女子準決勝   東九州龍谷0―3大阪国際滝井 ( 2021年1月9日    東京体育館 )

スパイクを打つ東九州龍谷のエース・室岡(左)
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 1メートル62の小さな大エース、東九州龍谷・室岡の最後の春高は準決勝で幕を閉じた。「悔しいというより情けない。焦ったまま立て直せなかった」。いつもと変わらぬ淡々とした表情の中にも無念さがにじんだ。

 室岡以外は全員下級生の若いチームが動揺した。1メートル70後半の選手がそろう相手の高さに、立ち上がりから室岡のスパイクが決まらない。焦りからミスを連発。第1セットは一時0―13の大差をつけられた。生命線であるレシーブが乱れ「“落ちついていこう”と声を掛けたが浮足立ってしまった」。主将としてチームを立て直せず肩を落とした。

 ただ、前回MVPの誇りは示した。レシーブの乱れで持ち味の速いコンビバレーが発揮できず、室岡にマークが集中。それでも両チーム最多67本のスパイクを放ち、高いブロックを相手にチーム最多の22得点した。結果はストレート負けだったが、第3セットはマッチポイントを握られてから自らのスパイクで3点連取してジュースまで持ち込む諦めない姿を見せた。

 1年生の春高で衝撃的なデビューを果たしてから注目を浴び続けてきた。「身長が低くても高い相手と勝負できるということを見せたい」。抜群の跳躍力で300センチの打点を誇り、レシーブ力はリベロにも劣らない。卒業後は実業団のステージへ進むが、目指すはアタッカーだ。「Vリーグでも活躍できる選手になりたい」。これからも常識を破る物語を紡いでいく。

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2021年1月10日のニュース