桐蔭学園・藤原監督「選手が大きくなった」コロナ禍でも試合ごとに心身成長

[ 2021年1月10日 05:30 ]

第100回全国高校ラグビー大会決勝   桐蔭学園32-15京都成章 ( 2021年1月9日    花園ラグビー場 )

<桐蔭学園・京都成章>選手をねぎらう桐蔭学園・藤原監督=左(撮影・成瀬 徹)
Photo By スポニチ

 単独初優勝の1年前には涙を流した桐蔭学園・藤原秀之監督は喜びをかみしめていた。「3年生を全員連れてきたかったが、できなかった。結果を出してくれてよかった」。新型コロナウイルス対策で花園入りできたのは限られた人数だけ。それでも試合ごとにチームは成長し、最後は盤石の強さを発揮した。

 練習できなかった昨年3~5月は基礎トレに励み、日本代表のリーチ主将らを指導したパフォーマンスコーディネーターの手塚一志氏に効率的な体の使い方を学んだ。スポーツ心理学博士の布施努氏からはメンタルトレーニングを受け、個々が目標を持ちミーティングで積極的に発言。顔合わせしていなかった1年生も合流時は「しっかり話せるようになっていた」(フランカー粟飯原)という。本格練習再開は7月。だが、実戦不足で課題がはっきりしなかったチームは11月の県決勝で東海大相模に2点差と苦戦を強いられた。

 転機は12月6日の常翔学園(大阪)との練習試合。課題が明確になり、藤原監督はFB秋浜をCTBへ移すなどバックスの並びを大幅に変更し、全国大会に入って実戦と修正を繰り返した選手たちは自分たちの強みを出す原点に立ち返った。決勝前には京都成章を破った3年前の準々決勝の映像から、前半は自陣でもボールを継続する戦い方を選択。後半に展開して突き放し、No・8佐藤主将は「前半に我慢できたのがよかった」と分析した。「1回戦と今のミーティングの内容は濃さが全然違う。選手が大きくなっていくのを感じた」。指揮官は高校生が持つ可能性に改めて感心した様子だった。

続きを表示

この記事のフォト

2021年1月10日のニュース