桐蔭学園 9校目連覇で100回大会飾る、青木劇場!怪力トライにアシスト決めた

[ 2021年1月10日 05:30 ]

第100回全国高校ラグビー大会決勝   桐蔭学園32-15京都成章 ( 2021年1月9日    花園ラグビー場 )

<京都成章・桐蔭学園>連覇を達成し歓喜の桐蔭学園フィフティーン(撮影・北條 貴史)
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 前回王者・桐蔭学園(神奈川)が決勝初進出の京都成章(京都)を32―15で破り、2大会連続3度目の優勝を飾った。大会連覇は第89~91回大会を3連覇した東福岡(福岡)以来史上9校目、戦後6校目。新型コロナウイルスの影響で今年度のチーム活動が制限され、感染再拡大により全国大会も無観客で開催された中、花園史上初めて6試合を勝ち抜いて再び頂点に立った。

 無観客の花園に桐蔭学園メンバーの雄叫びが響く。新型コロナウイルスの影響を乗り越えた現チームでの全国制覇。「自分たちの代で優勝して今までで一番うれしい。試合中からみんな笑顔が止まらなかった」。前回決勝に続きトライを決めた3年生の超高校級ロック、青木はマスクの下で口元を緩めた。

 風下の前半は自陣で守る時間帯が長かったが、0―3の16分に青木がジャッカルを決めてターンオーバー。19分には相手ゴール前ラックでボールを受けると、「自分が流れをつくらないと」と下へ飛び込んできた2人を乗り越え、3人がかりのタックルに強引に体をねじ込んで逆転トライを奪った。17―10の後半5分には自らの突破とオフロードパスでWTB今野のトライをアシスト。19年選抜大会で強いフィジカルに圧倒され「心が折れた」京都成章相手に雪辱を果たし、「1対1の場面では全部勝ったと思う」と胸を張った。

 全体練習ができなかった昨春は個人トレで自らを鍛えた。揚げ物を避けるなど食事を工夫し、No・8佐藤主将と映像を通じて一緒に練習するなどお互いを高め合った。全体練習再開後の計測では2人だけ体脂肪が増えておらず、桐蔭学園の藤原監督を「いつでも試合ができる準備をしてきた」と驚かせた。2年生までは突破役と決定力が持ち味だったが、最上級生の今季は継続ラグビーを支える泥くさいプレーを意識。試合前のロッカーでは花園に来られなかった控えメンバーがチームの応援歌を歌う約20秒の動画を見て「そばにいるような感じで刺激になった」と奮起した。

 試合後は京都成章のロック本橋と抱き合い「今度は大学で頑張ろう」と励まし合った。4月にはともに帝京大へ進学する。強くてしなやかな体、判断良いポジショニングにオフロードパスを楽々と決めるスキル。藤原監督はフッカー転向を勧めるが、「大学ではバックロー(FW第3列)で勝負したい」。日本のホープが花園連覇を手土産に大学ラグビーへ活躍の場を移す。

 ◆青木 恵斗(あおき・けいと)2002年(平14)6月14日生まれ、神奈川県出身の18歳。小1から藤沢ラグビースクールで競技を始める。2年生だった前回大会は決勝でトライを挙げるなど初の単独優勝に貢献。1メートル87、110キロ。目標はニュージーランド代表ロックのブロディ・レタリック(現神戸製鋼)。

 ▽桐蔭学園主な3年生の進路 倉島昂大、秋浜悠太(以上明大)、中山大暉(慶大)、青木恵斗(帝京大)、佐藤健次(早大)、伊藤光希、中優人、榎本拓真、田中諒汰、粟飯原謙(以上進学希望)

 ▽私立桐蔭学園高校 1964年(昭39)創立。横浜市青葉区。生徒数は男子1997人、女子1423人。創立と同時にラグビー部も創設。花園は第76回大会(96年度)に初出場し、今回で6大会連続19度目。第90回大会(2010年度)決勝で東福岡(福岡)と引き分け初優勝。第99回大会(19年度)で単独初優勝。準優勝5回。主なOBに松島幸太朗(クレルモン)、堀越康介、斎藤直人(以上サントリー)、小倉順平(キヤノン)、伊藤大祐(早大)。サッカー部も今年度の全国大会に出場。

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