早大・平井で天理大封じ、叩き上げ4年生が有終飾る 11日全国大学ラグビー決勝

[ 2021年1月10日 05:30 ]

決勝に向け練習を行う早大CTB平井亮佑(左)。右はSO吉村紘
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 11日のラグビー全国大学選手権決勝(東京・国立競技場)で対戦する早大と天理大が9日、登録メンバー23人を発表した。早大は2日の準決勝・帝京大戦から先発1人を変更。伊藤大祐(1年)に代わり平井亮佑(4年)が12番に入った。天理大のスーパーエース、CTBシオサイア・フィフィタ(4年)の防波堤役を託された“叩き上げ”が、2大会連続17度目の大学日本一の鍵を握る。

 スーパールーキーから12番を奪い返し、ラグビー人生最後の一戦に臨む。午前、東京都杉並区のグラウンドで練習を終えた平井は「ピークをこの試合に持ってこられた。今はしっかり走れる」。昨年11月23日の慶大戦後に足首を負傷し欠場が続いたが、万全を強調し「最後は優勝したい」と言葉に力を込めた。

 全国から高校代表級や花園経験者が集まる早大にあって、福岡・修猷館出身の平井は1浪の一般生。3年間はAチームの公式戦出場がない、まさに“無印”の存在だった。最終学年の今季は「(昨春の)自粛期間、強みが接点や体を当てることだと分かっていたので、誰よりも強くなれるように取り組んだ」と人知れず鍛錬。赤黒デビューを果たすと、ケガを乗り越え再び先発に選ばれた。

 準決勝では決定機を何度も演出した伊藤に代わり、選ばれた理由は分かっている。すでにスーパーラグビーでも活躍したフィフィタを止めることだ。「自分の強みを前面に押し出し、何回もタックルに行き、接点では引かない」と決意表明。「パスさせないような間合いで前に仕掛けて、ミスを誘発できればいい」と具体策も明かし、キーマン封じに全精力を注ぐ覚悟だ。

 小3で始めたラグビーも、大学卒業を期に第一線から退き、一般企業に就職予定。一時はCチームでくすぶっていながら、ファイナルマッチで先発する平井もまた、ワセダラグビーを象徴する存在。「つらい時期でも諦めず、腐らず、努力してこういう結果につながった」。自らの花道を飾り、新たな道を歩み始める。

 ◆平井 亮佑(ひらい・りょうすけ)1997年(平9)4月6日生まれ、福岡県出身の23歳。小3でラグビーを始め、平尾ウイング―三宅ヤングラガーズ―筑紫丘クラブを経て修猷館高へ。1浪後、17年4月に早大入学。昨年10月4日の対抗戦・青学大戦でAチーム公式戦初出場。1メートル74、85キロ。ポジションはCTB。座右の銘は「継続は力なり」。

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