松山英樹 伸ばせず10位後退 消えた安定感「自分をコントロールできなかった」

[ 2020年11月16日 05:30 ]

USPGAツアー マスターズ第3日 ( 2020年11月14日    米ジョージア州 オーガスタ・ナショナルGC=7475ヤード、パー72 )

第3ラウンド、2番でショットを放つ松山
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 6位から出た松山英樹(28=LEXUS)は4バーディー、4ボギーの72と伸ばせず、通算8アンダーで首位と8打差の10位に後退した。65をマークしたダスティン・ジョンソン(36=米国)が通算16アンダーでトップを維持。初の予選通過を果たした今平周吾(28=フリー)は72で回り、通算2アンダーの36位となった。

 36ラウンドでボギーが1つと抜群の安定感だった松山とは別人のようだった。予選を終えて首位から3打差以内に16人がひしめく大混戦。スコアが動くと言われている「ムービングサタデー」で伸ばすことができず、松山は足踏みした。

 ボギーが4つ。パット数は30で、しかも3パットが2度とグリーン上で苦しんだ。「思うように自分をコントロールできなかったところで、スコアも伸ばせず、凄く悔しい一日だった」。西日を全身に浴びながら、悔しさを押し殺した。

 2番パー5でグリーン奥から1メートルに寄せて幸先よくバーディーが先行したが、最難関の5番パー4は大きくうねるグリーンで約4メートルのパーパットを残し3パット。6番で約11メートルのパットをねじ込んだが、9番はグリーンを外し、10番はティーショットを林の奥に入れ連続ボギー。13、14番で伸ばしたものの、17番でもボギーと最後まで安定感を欠いた。好調だったティーショットもこの日は不振。フェアウエーを捉えた数は3ラウンドで最少の9度にとどまった。

 圧巻の65で後続を突き放した世界ランク1位、D・ジョンソンとの差は8打に開き、悲願の「グリーンジャケット」が遠のいた。最終日の8打差逆転は、長い歴史の中で1度だけ。上位には実力者がそろうだけに、バーディーを積み重ねるしかない。この日もホールアウト後は練習場に向かい、遅くまでパッティングなどを入念にチェック。「まだ何があるか分からない。しっかり集中し、自分がいい状態で挑めるようにしっかりと準備したい」と諦めない姿勢をのぞかせた。

 《最大逆転V8打差》マスターズでの最終日の最大逆転Vは1956年の8打差。71で回ったジャック・バークが80と乱れたケン・ベンチュリーを逆転した。78年にはゲーリー・プレーヤーが7打差を、96年にはニック・ファルドが6打差をそれぞれ逆転してグリーンジャケットを手にした。昨年も2打差の2位から出たタイガー・ウッズが最終日に逆転した。3日目トップの選手が逃げ切ったのは過去83大会中46回。

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