【中嶋常幸 密着オーガスタ】硬かった松山…D・ジョンソンの好発進が重圧に

[ 2020年11月16日 05:30 ]

USPGAツアー マスターズ第3日 ( 2020年11月14日    米ジョージア州 オーガスタ・ナショナルGC=7475ヤード、パー72 )

第3ラウンド、2番でティーショットを放つ松山
Photo By 共同

 松山選手は硬かったね。ホールアウト後、彼自身が振り返っていたように、3日目は気持ちのコントロールがうまくできなかったようだ。第2ラウンドを1打差の6位で終え、夢のグリーンジャケットが本当に見えるところまで近づいた。それが力みにつながり、まだ3日目なのに最終日のような雰囲気になってしまった。

 彼だけではない。トーマスやラームら他の有力選手も金縛りにあったようなプレーになった。その要因をつくったのが、ダスティン(ジョンソン)だ。2番でOKイーグルを奪うなど序盤で4つスコアを伸ばして、スタートダッシュを決めた。世界ランク1位のダスティンが波に乗った時にどんなプレーをするのか、周りの選手はよく分かっている。ミスはできない。それが重圧となりプレーに影響したのではないか。

 松山選手に関しては、この日はバーディーチャンスにつけるアイアンショットがあまりにも少なかった。ピタッときたのは14番の1発だけ。16番パー3のショットも、あと50センチ右に行っていればバーディーチャンスについたはずだ。そういう紙一重のショットが続いて、打たなくてもいいボギーを打ってしまった。

 一方のダスティンは昨年2位、16年4位と優勝に届きそうなところでプレーしている。オーガスタはかつてドローヒッターが有利と言われたが、道具の進化で00年代に入ってからはフェードで攻めるホールが増えている。彼のように飛距離が出て曲がりの少ないフェードを打てる選手は、崩れる要素が少ない。ただ、何が起きるか分からないのがゴルフだ。ダスティンが序盤でつまずき、松山選手ら有力選手がスタートダッシュをかけることができれば、最終日は面白い展開になるはずだ。(プロゴルファー)

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