セーリング 来年6月にW杯代替大会を開催 運営面、コロナ対策でも五輪の“前哨戦”に

[ 2020年11月16日 17:17 ]

 日本セーリング連盟は来年6月8~15日に、東京五輪の前哨戦として国際大会「ワールドイズワン江の島セーリングカップ」を五輪会場の神奈川県藤沢市江の島ヨットハーバー沖で開催する。今年6月に新型コロナウイルスの影響で中止となったワールドカップ(W杯)江の島大会の代替大会として新設。日本セーリング連盟の河野博文会長は「五輪の前にW杯に匹敵するような国際大会をぜひやりたいということで、準備を進めている」と熱意を語った。

 大会には運営面のテストと、海外選手の五輪海面での実戦機会という2つの目的がある。江の島は「沖に出ると非常に深くて(コースの)マークを良い位置に固定すること、風が変わった時にそれを素早く移すことが大変難しい海」。大会のレース委員会は運営のための合宿を何度も行ってきたが、相次ぐ大会の中止で実践する場が少なくなっていた。さらにセーリングはレース海面での経験値が多かれ少なかれ結果に響く競技で、「世界のセーラーに五輪レース海面での練習を十分にやらせてあげたい」と説明。海外の代表選考大会になる可能性もあり「(選考レースの)希望があれば受け入れたい」という。

 一方で感染症対策には課題が山積する。五輪種目の全10クラスで世界各国から最大300艇程度の参加を見込んでおり、関係者やスタッフを含めると1000人規模。セーリングは現地の海に馴染むために大会前に事前合宿を行うことが多く、「おそらくかなり前倒しで、例えば5月に準備が終われば(会場に)入れてくれという声があがると思う」と想定。大会終了後も五輪まで1カ月半を切っているだけに、そのまま日本に滞在する可能性が高い。宿泊施設やPCR検査など、どこまで管理するかの線引きが重要なポイントになる。「まず国として入国する人たちの管理をどうするか。五輪関係者はセーリングに限らず早めに入国する人がかなりいると思わないといけない。国がルールを決めた上で対応することになる」とし、他競技にとっても一つの指標の大会となりそうだ。

 コロナの感染が再拡大する中で五輪開催に不安の声も上がるが、河野会長は「IOC(国際オリンピック委員会)の成功させるという発言に疑念は持っていない。我々は五輪は絶対にあるという前提で準備を進めています」と強調。五輪直前の国際大会の成功で機運を高める。

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2020年11月16日のニュース