大栄翔 白鵬止めた!無敗の横綱を泳がせ全勝消滅「自信につながる」

[ 2020年7月30日 05:30 ]

大相撲7月場所11日目 ( 2020年7月29日    両国国技館 )

<7月場所11日目>波乱演出!!白鵬(左)を押し出しで破る大栄翔(撮影・久冨木 修)
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 小結・大栄翔が横綱・白鵬を押し出し、全勝を消滅させた。混戦を演出しただけでなく、自身も三役2場所目で初めての勝ち越しへ王手。1敗は白鵬、新大関の朝乃山、照ノ富士の3人になった。また、大関・貴景勝が8勝目を挙げてカド番を脱出した。

 荒い息をした大栄翔が勝ち名乗りを受けて土俵を下りてきた。その表情には歓喜も興奮もない。「しっかり当たること。まわしを取られると何もできないので」。その一念に、集中した立ち合いだった。

 先に両手をついて備えた当たりが、大横綱の胸部へ突き刺さった。踏みとどまった白鵬だが、その衝撃で直後に左足を滑らせ、大きくバランスを崩す。押して出た大栄翔がさらに右へいなすと10日間の安定感がウソのように泳がせた。背後に食い付き、向き直る前に土俵外へ押し出すだけだった。

 白鵬戦は8度目で、昨年九州場所以来の勝利。「(白鵬戦は)毎回緊張します」。殊勲星にもそう告白するが、「勝てて良かった。自信につながります」と収穫も口にする。前回は番付が東前頭筆頭だったため金星になったが今回は該当しない。わずか1枚の番付差ゆえだが、それ以上の手応えをつかみ取った。

 コロナ禍で出稽古が禁じられた場所前、ひそかにアドバンテージを感じていた。追手風部屋には自身と遠藤の幕内、さらに十両5人と計7人の関取がそろう。コロナ前から稽古相手を求めて、出稽古に来る力士はいても出る必要はない。「いつもと変わらず稽古ができました」と笑う。

 これで三役で初めての勝ち越しへ王手をかけた。新三役の初場所は、同じ11日目に8敗目を喫して陥落が決まったが、残り4日間連勝して締めた。疲れから動きの落ちる終盤戦、今度は三役残留という果実を得るため、平素の稽古量を証明する。 

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