紀平 女王焦りなしSP2位 逆転連覇へ4回転条件整った

[ 2019年11月23日 05:30 ]

フィギュアスケートGPシリーズ第6戦 NHK杯第1日 ( 2019年11月22日    札幌市・真駒内セキスイハイムアリーナ )

逆転制覇へ!女子SPで2位発進の紀平(撮影・小海途 良幹)
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 女子SPで、紀平梨花(17=関大KFSC)がトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を鮮やかに決め、79・89点で2位発進をした。アリョーナ・コストルナヤ(16=ロシア)が85・04点で紀平が持っていたSP世界最高得点を塗り替え首位。大会連覇が懸かる23日のフリーでの逆転へ、紀平が4回転サルコーを投入する可能性もある。

 シニア2年目の紀平は、少々のことでは動揺しない。直前の6分間練習でトリプルアクセルが不調でも、「冷静になったら靴の締め方が緩いと分かった」と分析し、冒頭でビシッと決めた。GOE(出来栄え評価)による多くの加点を引き出す「100点に近いアクセル」だった。

 心を乱されてもおかしくない要素はあった。ロシアの16歳、コストルナヤが85・04点を出し、自身が持つSP世界最高83・97点を塗り替えられた。前戦は、ロシアの15歳、トルソワにフリー世界最高166・62点を出された直後に、出番。2戦続けて世界記録後に滑る「ビックリ」という展開にも冷静だった。3回転ループの着氷乱れがあったものの、79・89点で2位。演技後は「ほぼ満足」と何度もうなずいた。

 17歳とは思えぬストイックな姿勢で体調管理に努める。食事に出掛ければ、カロリー計算をして摂取。母・実香さんによれば、表示がない店には出掛けないという徹底ぶりだ。昨年、専門家に連絡を取って自分で勉強。無理なダイエットをせずに考えて食べることで、体形が変化しやすいこの年代特有の課題を克服する。トリプルアクセルが安定し、昨季目立ったSPでの出遅れは影を潜めた。

 首位とは5・15点差で、3位とは12・68点差ある。逆転連覇には冒険が必要で、GPファイナル出場が決まる表彰台を守るには余裕がある。4回転サルコー初投入には絶好の条件が整った。「他のジャンプもミスをしない自信があれば、やってもいいよと自分に言ってもいい」。可否は当日判断。逆襲の大技に期待が膨らむ。

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