羽生 SPぶっちぎり首位発進も「及第点」 完璧フリーで“孤高の領域”へ

[ 2019年11月23日 05:30 ]

フィギュアスケートGPシリーズ第6戦 NHK杯第1日 ( 2019年11月22日    札幌市・真駒内セキスイハイムアリーナ )

男子SP圧巻の演技で首位発進の羽生(撮影・小海途 良幹)
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 男子ショートプログラム(SP)が行われ、14年ソチ、18年平昌五輪連覇の羽生結弦(24=ANA)が109・34点で首位発進した。ノーミスの演技で自身が持つSPの世界最高記録に迫る高得点を叩き出し、2位以下に大差をつけた。23日に行われるフリーで完璧な「Origin」を演じ、3年ぶり4度目の頂点を狙う。

 3年ぶりの北の大地で舞った羽生は、納得の表情を見せた。SP曲「秋によせて」を演じ切ると、天を仰ぎ、手を叩いた。理想と合致する演技ではないが、ノーミスでそろえて自身の持つ世界最高点に肉薄する109・34点を叩き出した。「正直悔しいところがあるが、まずはホッとしているところが大きい」。そう言葉を切り出し「及第点を出すことができた」と語った。

 執念を見せた。冒頭の4回転サルコー、トリプルアクセル(3回転半)に成功。だが、コンビネーションを予定していた終盤の4回転トーループの着地で微妙にバランスを崩した。「どんな体勢でも3回転をつけてやる!!」。意地で3回転トーループをつけて出来栄えで加点を引き出し、スピン、ステップも最高のレベル4。10月のスケートカナダに続いて、自らのSP世界記録に肉薄してみせた。

 狂いかけた歯車は、自ら修正する。午前の公式練習で、通常なら軽々と決める4回転トーループがうまく決まらない。だが、羽生には無数の引き出しがある。かつて世界最高記録を連発し、平昌五輪でも演じた伝説のプログラム「バラード第1番」の冒頭を脳内で奏で、サルコー、トーループを跳んだ。「いいイメージがあるバラ1のサルコーと4回転―3回転をやって、感覚よく終わろうと」。創意工夫が、王者の安定感を支えた。

 思い入れの強いNHK杯への出場は3年ぶり。10年大会でシニアGP初陣を飾り、世界記録を何度も更新してきた。17年大阪大会では公式練習で転倒し、右足首を負傷。欠場を余儀なくされた。さまざまな思いが交錯する中で「正直、緊張した」。だが、大声援が自らの存在意義を教えてくれる。「日本で滑るのは久しぶりで、幸せでありうれしくもあった」。万感の思いが、24歳のスケーターの演技に乗り移った。

 スケートカナダを制した羽生は、表彰台に立てばファイナル出場権を得る。3年ぶり4度目の頂点も視界にくっきり捉えたが、戦うのは自分自身。「明日は明日で別の演技」。23日のフリーで、孤高の領域へと突入する。

【羽生結弦 過去のNHK杯】
 ★10年(名古屋)4位=207.72点(SP69.31(5)、フリー138.41(4)) シニアGP初出場ながらSP5位につけ、フリーでは冒頭に跳んだ4回転トーループを試合で初成功。初陣を終えて「課題がはっきりした、いい試合だった」
 ★12年(宮城・利府)優勝=261.03点(SP95.32(1)、フリー165.71(1)) SPでは4回転トーループを決めるなど完璧な演技で当時の世界最高を更新。合計点も世界歴代4位に。「今日の出来は(100点満点で)99点」
 ★14年(大阪)4位=229.80点(SP78.01(5)、フリー151.79(3)) 3週間前の中国杯で他選手と激突。5カ所負傷しながらも強行出場し、SP5位。フリーでは5度も転倒したが、ファイナル切符を死守。演技は「終わった…」。
 ★15年(長野)優勝=322.40点(SP106.33(1)、フリー216.07(1)) 合計点で史上初の300点台超え。SPで4回転2種類を決め、フリーでも全ジャンプに成功し、すべてで世界記録を更新。「なんて言ったらいいか分かりません」
 ★16年(札幌)優勝=301.47点(SP103.89(1)、197.58(1)) SPでは4回転ループの着氷乱れ以外はミスなくまとめ、フリーは3つの4回転ジャンプを成功。2年連続3度目の頂点に立ち、「楽しかったです」。

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