渋野は「新人類」 プレー中にギャラリーと交流 樋口久子氏「今までにないタイプ」

[ 2019年8月6日 07:21 ]

米女子ゴルフツアーAIG全英女子オープン最終日 ( 2019年8月4日    ミルトンキーンズ ウォバーンGC=6756ヤード、パー72 )

優勝した渋野日向子はギャラリーとハイタッチしながらアテストに向かう(撮影・沢田 明徳)
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 1977年に日本人選手として初めてメジャーを制覇した日本女子プロゴルフ協会の樋口久子顧問(73)が、42年の時を経て自身に続く勝利を手にした渋野に対して祝福の言葉を寄せた。

 渋野さんの無欲で自然体のプレーが大きな勝利をもたらしました。彼女は6月のアース・モンダミンカップで全英の出場権を手にしましたが、その時も「えっ、そうなんですか。だったら行ってみよう」という感じで気負った様子は全くありませんでした。肩肘を張らないそうした姿勢に加え、今週は運にも恵まれました。ウォバーンGCは日本に似た林間の起伏に富んだコースで、グリーンもわりと止まりやすく、彼女のような飛ばし屋に合っていた。1オンに成功した12番も、ボールが右に跳ねていればトラブルの可能性もありましたが、それが左に返ってくるツキもありました。

 私が42年前に優勝した時は、最終グループで回った前週の試合で自滅。その経験から全米女子プロの時は、一切スコアボードを見ないようにしました。途中までは自分のペースで回っていましたが、15番で自分の名前が一番上にあるボードが目に入り、それからしびれてしまった。でも渋野さんはずっとボードを見ていたそうですね。それだけ攻撃的な性格だということなのでしょう。彼女は攻めて失敗するよりも、攻めずに負けてしまうことが一番嫌だと言っています。プレー中にギャラリーと手を合わせたり写真を撮ったり、まさに新人類ですね。

 アドレスはハンドダウン気味ですが、下半身がしっかりしているので体の捻転も十分にできている。切り返しからの左腰のリードも速く、ヘッドスピードも上がってボールも飛ぶ。下半身が強いので、タメが利いて体の正面でボールをつかまえられるため曲がりも少ない。後半は難しいホールが多かったのですが、ロングヒッターの彼女は正確なショットでグリーンを捉えられていた。日本ツアーの初勝利が公式戦で、初出場のメジャー大会でいきなり優勝するというのは、何かを持っている証拠。これから海外でどれだけやれるのかぜひ見てみたいですね。 (日本女子プロゴルフ協会前会長、プロゴルファー)

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2019年8月6日のニュース