20キロ競歩の世界記録保持者・鈴木 50キロデビュー戦でいきなり日本新V

[ 2019年4月15日 05:30 ]

陸上 日本選手権50キロ競歩 ( 2019年4月14日    石川県輪島市・日本陸連公認コース )

50キロ競歩の日本新記録をマークした鈴木雄介は速報計時版の前でポーズ(撮影・中出 健太郎)
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 世界選手権(9~10月、ドーハ)代表選考会を兼ねて行われ、男子は20キロ競歩の世界記録保持者・鈴木雄介(31=富士通)が3時間39分7秒の日本新記録で初優勝した。36キロから“独歩”し、昨年10月に野田明宏(23=自衛隊)がマークした日本記録を40秒更新。日本陸連が定めた派遣設定記録3時間45分0秒を突破して代表入りの条件を満たしたが、出場に関しては態度を保留した。

 2・5倍の距離は甘くなかった。トップの松永大介(富士通)が棄権した35キロ過ぎに2位集団から抜けだした鈴木は、1キロ4分4秒のハイペースで独り旅に。しかし、ラスト5キロで失速して「50キロの洗礼を浴びた」と苦笑した。それでも、途中棄権が前提ではない事実上の50キロデビュー戦で、20キロのスピードを生かして日本新記録。「20キロのラストの競り合いが本当に好きなんです。あの感覚とはまた違う。でも、うれしい」。首をひねった。

 15年3月の全日本競歩能美大会で、1時間16分36秒の世界記録を樹立。その後は股関節痛など故障に苦しみ、17年10月には強化費の不正申請で6カ月の資格停止処分を受けた。昨年5月に2年9カ月ぶりに公式戦復帰したものの、先月の全日本能美大会は4位で20キロでの世界陸上代表が消滅。翌日、ジョギングしている際に50キロ出場を決断した。「若手の台頭で選手層が厚くなりすぎている。その日の調子で結果も左右されるバクチ勝負になりやすい」20キロ以外で、東京五輪出場の選択肢を増やすためだった。

 「自分の目標は東京五輪で金メダル」と言い切る。世界陸上は五輪への近道だが、万全の状態で東京を迎えるために回避する可能性も明かした。「最大の問題は深夜にレースがあること。夜中に4時間近く歩くのは人間のリズムにはそぐわないし、1日でもダメージが残る。日差しとか、東京五輪の想定にもならない」。自身は20キロのスペシャリストという自負もある。「50キロの才能もあったんだなと思う。でも、20キロが好き。いろんな葛藤がある」。復活のベテランが新たな悩みを抱えた。

 ◆鈴木 雄介(すずき・ゆうすけ)1988年(昭63)1月2日生まれ、石川県能美市出身の31歳。辰口中で本格的に陸上を始め、3000メートル競歩、5000メートル競歩で中学最高記録をマーク。小松高では世界ユース1万メートル競歩銅メダルを獲得。15年の全日本競歩能美大会では1時間16分36秒の世界新記録をマークして優勝した。世界選手権は20キロ競歩で09年大会から4大会連続で出場。12年ロンドン五輪は36位だった。1メートル71、58キロ。

 《世界選手権3枠確定も鈴木辞退なら川野有力》世界選手権では3位以内の日本人最上位が東京五輪代表に決まる。代表には既にアジア大会金メダルの勝木(自衛隊)、昨年10月の全日本高畠大会で日本記録を出した野田が内定し、鈴木で3枠が埋まるはずだった。日本陸連は5月中旬に選考委員会を開く予定で鈴木はそれまでに態度を決める方針。辞退すれば、日本学生新記録で今大会2位に入った川野も有力候補に浮上するが、「選ばれたら金メダルを目指したい」と意欲的だった。

 ▼4位荒井広宙 完全に力不足。35キロ過ぎから何回か吐いてコンディションもダメだった。(20キロの選手たちのスピードは)後半までもつのかと思ったが、凄い。常識を覆された。(世界ランキング2位も世界選手権代表は絶望的)

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