バスケ日本W杯決めた!8連勝締めドーハの歓喜 東京五輪枠「開催国枠」出場大前進

[ 2019年2月25日 05:30 ]

バスケットボール男子W杯アジア2次予選最終戦 ( 2019年2月24日    ドーハ )

<カタール・日本>カタールに勝利し、W杯出場を決め喜ぶ日本代表
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 世界ランク47位の日本はアウェーで同63位のカタールに96―48で大勝し、W杯中国大会(8月31日〜9月15日)出場を決めた。自国開催だった06年大会以来3大会ぶりの出場で、予選突破しての自力出場は98年ギリシャ大会以来5大会ぶり。開幕4連敗からの8連勝フィニッシュで実力を示し、3月のFIBA(国際バスケットボール連盟)理事会で結論が出る20年東京五輪の開催国枠での出場へ大きく前進した。

 待望の瞬間が訪れた。悲願のW杯切符獲得を告げる終了のブザーが鳴ると、ラマス監督はスタッフと抱き合った。敵地ドーハで迎えた歓喜。1月の仕事始めに日本協会の三屋会長は「平成の最後に“ドーハの歓喜”をつくり出したい」と宣言しており、協会トップの言葉を実現した。

 危なげなかった。第1Q。ファジーカスによるチーム初得点まで1分53秒を要すなど開始直後は硬さが目立ったが、2―5から10連続ポイントで一気に突き放した。第2Qも辻の3本の3点シュートなどで点差を広げ、前半終了時で17点リード。後半もギアを落とすことなく、ダブルスコアで大勝した。

 空気が一変した出来事があった。アジア予選2連敗後の18年1月の熊本合宿。1対1の練習で比江島が、当時15歳で選出されていた田中力(現IMGアカデミー)にぶち抜かれた。周囲の選手が冷やかし半分で盛り上がると、普段は温厚なラマス監督が「国を背負う重みを分かっているのか!」と激高。日の丸を背負う意味を説くと、選手たちの目の色が変わった。

 綱渡りだった。4連敗で迎えた昨年6月のオーストラリア戦。同4月に日本国籍を取得したファジーカスに加え、米ゴンザガ大の八村塁の招集に成功し、1点差で金星を手にした。負ければ1次予選敗退が決まっていた。崖っ縁からの生還だった。

 ファジーカスが故障離脱した昨年9月の2試合ではNBAデビュー直前だった渡辺雄太(グリズリーズ)の招集を実現。東野技術委員長は「ファジーカス、八村、渡辺の来るタイミングが少しズレていれば、どうなっていたか分からない」と振り返る。

 今予選で3人がそろった試合はない。W杯本大会、そして44年ぶりの出場が濃厚となった20年東京五輪へ、伸びしろは計り知れない。止まっていた日本男子バスケットボール界の時計の針が力強く動きだした。

 ▼ラマス監督 選手たちに感謝したい。4連敗でスタートしたが、我慢、我慢して、選手たちの努力でやっと中国に行ける。

 ▽FIBAバスケットボールW杯 4年に1度開催。10年トルコ大会までは世界選手権で、前回14年スペイン大会からW杯に名称変更した。19年中国大会は出場枠を前回大会の24から32(開催国1、アフリカ5、アメリカ7、アジア7、欧州12)に拡大。アジアは3枠からの大幅増となる。当初は18年に開催予定だったが、サッカーW杯と同年開催による話題分散を避けるために1年遅らせた。本大会が五輪予選を兼ねるのも、予選のホーム&アウェー方式も今回が初で、人気拡大を目指して形式を大幅変更した。最多優勝国は米国とユーゴスラビアで5回。

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